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2011年10月 9日 (日)

ノーベル平和賞に輝いた3人の女性

 新聞やテレビニュースによると、今年のノーベル平和賞は、3人の女性が受賞した。リベリアのエレン・サーリーフ大統領、同じくリベリアの平和活動家リーマ・ボウイーさん、そしてイエメンの人権活動家でジャーナリストのワックル・カルマンさんである。先日亡くなったケニアのマータイ女史以来の素晴らしいニュースである。

 ノルウエーのノベル賞委員会は受賞理由で「女性の安全のため、平和構築に女性が参加する権利のために、非暴力で闘った」とたたえた。女性が新しい歴史を切り開く大きな力になることを世界に知らせたのだ。

 私は、リベリアのサーリーフ大統領に注目したい。内戦や汚職、貧困が蔓延し、国が国民の生活の安全をを守れない「失敗国家」といわれる国が世界には20カ国もあり、そのうちアフリカには14もあるという。かつてはリベリアも失敗国家の一つであった。

 それを見事に建て直したのだ。NHKニュースで大統領は、「一年で10年分の仕事をしました。」と語った。将来のビジョンを持って緊急かつ必要なことから手をつけたのだ。

 はびこる汚職を排除し、国の資源である鉄鉱やダイヤモンドの管理を徹底し、経済を向上させた。また、内戦で抑圧されてきた女性の社会進出を助け、政府の重要ポストに多くの女性を登用した。教育にも力を注いだ。

 朝日新聞記者の独占インタビューに答えて、「かつての絶望は希望に変わりました」と述べたそうだ。市民からは、ママ・サーリーフと親しまれているという。

 「よい統治とは、人びとに説明できるような具体例を示して、人びとを導くこと。法の支配に基づき、透明性のある政治です。悪い統治とは、権力欲を持つ政治家が原因の一つにある。リベリアはそうさせない。」と語ったそうだ。

 また、こうも語ったという。「ゼロからのスタートの我々にとって、すべてが優先事項。でも、現実的な目標を定め、政策にも優先順位を決める。優秀な人材を公平な制度の下で活用し、着実に仕事をこなして行くことです。」と。

 翻って日本の政治の現実に当てはめてみると、3.11の大災害から7ヶ月にもなるのに、今だ第3次予算も決まらず、除染一つをとっても具体的な方策が立てられないでいる。

 権力欲を持つ政治家が足の引っ張り合いをして、詰まらぬことばかり国会で取り上げている。優秀な人材を抜擢する気配もない。野田首相は、優先順位を決めたと言っているが、具体策は何も示せないでいる。

 日本の政治家は日本の将来のビジョンを示して、一日も早く復興を進めて行くべきである。自民党などが唱える衆議院の解散などはその後のことである。

 日本からも謙虚で私欲のない、優秀な「鉄の女」の女性政治家が現れないものかと思う。

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