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2011年8月 3日 (水)

アーサー・ビナード氏の講演より―②―

 アーサー・ビナードさんは、英語のCultureと日本語の文化について大きな違和感を持つと言いました。

 英語でCultureというと、何かいっぱい集まってうじゃうじゃしているイメージがあると言いました。オックスフォード英英辞典で調べてみましたら、次のような説明があり納得しました。

[GROWING/BREEDING] 

the growinng of plants or breeding or particular animals in orader to get a particular substannce or crop from them.

●the culture of silkworms

[CELLS/BACTERIA]

(biology, medical) a group of cells or bacteria,especially one taken from a person or an animal and grown for medical or scientific study ; theprocess of obtaining and growing these cells

●a culture of cells from teh tumour

●Yogurt is made from active cultures 

 彼は、ヨーグルト・カルチャーなどと言う例をあげていました。もともとCultureはCultivateと関係がある訳で、英和辞典では、耕作、栽培、飼育、養殖、培養、培養された菌というい意味もあります。広辞苑で調べるますと、日本語の「文化」にはそういうものはふくんでいないようです 

 彼は、”文化”はシンプルすぎると言いました。Cultureは生き物を育てる集合体だというのです。日本語の文化は「コトバが化けたもの」であり、英語のCultureは、「コトバが菌のような働き(発酵)をして作り出したもの」だと言うのです。

 発酵にも有益な発酵と有害な発酵があるように、言葉にも有害な腐ったものがあるから気をつけなければならないと指摘しました。

 そして、戦後最大の腐った言葉として、「原子力の平和利用」があると言いました。この言葉は、もともとアメリカのアイゼンハワー大統領が国連での演説で使ったもので、Atom for Peaceを日本語に訳したものだそうです。

 アメリカは戦時中に原子爆弾の開発を急ぎました。そして広島、長崎に投下する少し前に核爆発の実験を極秘裡に行い成功させました。

 

 トリニティ実験(トリニティじっけん、the Trinity test)とは1945年7月16日アメリカで行なわれた人類最初の核実験である。

この実験はアメリカ・ニューメキシコ州ソコロの南東48km(北緯33.675度、西経106.475度)の地点で行なわれた。実験場は現在ではアラモゴードに本部を持つアメリカ陸軍ホワイトサンズ・ミサイル実験場の一部となっている。トリニティ実験は爆縮型プルトニウム原子爆弾の爆発実験で、同型の爆弾が後に日本長崎県長崎市に投下された。この実験による核爆発は約20ktTNTの爆発と同規模のもので、この核実験を以ってしばしば「核の時代」の幕開けとされる。(下の写真を参照)

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E5%AE%9F%E9%A8%93

 この実験の後、「遠隔地の火薬庫が爆発したが死者、負傷者は出なかった」というたった50語のプレスリリースが出されただけでした。ビナードさんの話ではこのとき多くの被爆者が出たが闇に葬られてしまったそうです。

 広島に投下されたのは、ウランを使った原爆でしたが、先の実験で使われたプルトニウム型の原爆は長崎に投下されました。

 広島、長崎に原爆を落とす前に、日本政府からアメリカのトルーマン大統領宛に、戦争を終わらせたいという申し出があったことが、トルーマン大統領日記に記載されているそうです。当時、日本全土は通常爆弾による完膚なきまでの爆撃により日本は戦闘能力を失っていたのです。

 それなのにアメリカはあえて原爆の投下を行いました。それは実際に使用して効果を確かめるためだったと彼は言います。一般的には、戦争を一日も早く終結させるためと言われましたがそうではないのです。

 アメリカの都市爆撃と焦土化でさえ、非戦闘員の一般市民を巻き込む非人道的な行為ですが、それに実験のための原爆投下で追い討ちを掛けたのです。

 ところで、原子力発電の目的は何かと言いますと、軍事利用の隠れ蓑だとビナードさんは指摘します。どういうことかと言いますと、原子力発電で最初にウラン235を使いますが、それが原子炉の中で形を変えてプルトニウムがつくられるのだそうです。

 つまり、原子力発電は原爆の材料である核燃料(プルトニウム)を作ることを隠すために、あたかも原子力発電が主目的であるかのように平和利用と言っているのだと言うのです。

 7月31日に、広島市の国際会議場で開かれた母親大会で、吉永小百合さんは「『原子力の平和利用』という言葉をあいまいに受け止めてしまっていた。・・・・世の中から核兵器がなくなって欲しい。原子力発電所がなくなってほしい。」と訴えたそうです。このことを第一面で伝えた中日新聞の見識を私は買いたいと思います。

 私も、これまで「原子力の平和利用」という言葉に迂闊にも騙されて来ました。私の言語能力、情報リテラシイの未熟さに恥じ入ります。

 元に戻りまして、リナードさんは、「核アレルギー」という言葉は、反対者を落としめるコトバで、英語にはできないと言います。

 花粉アレルギーというと花粉に敏感な体質のことですね。つまり、アレルギーと言うコトバは、その人の体質が悪いということです。花粉は悪くないのです。それと同じで、”核”は悪くないのだということになるからです。

 和英辞書で調べますと、nuclear allergyと出ていますが。おそらく直訳なのでしょう。

 余談ですが、彼の話によると、ATOMというのは「超」とか「スゴイ」という使われ方をしているのだとか。アメリカにある超有名な飴の名は「Atomic Fire Ball」と言うそうです。

 

  ―つづくー

 

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