愛知芸術文化せんたーの「東北復興支援チャリティコンサート」―①
7月20日と21日の2日間にわたって、愛知県芸術センターコンサートホールで「東北復興支援チャリティコンサートが開かれました。
第一日は、「オルガンとダンスの華麗な競演―愛知出身アーティストによる復興への祈り」というもので、パイプオルガン奏者の吉田文さんとダンサーの平山素子さんの競演でした。
パイプオルガンとダンスの競演というのに興味を惹かれて観に行きました。第一部と第2部に分かれていました。
ジャン・アラン 連祷で始まりました。その後、バッハのG線上のアリア、主よ人の望みの喜びよ が、オルガンで演奏されました。
次が、溝上日出夫 雲中供養菩薩 という曲で、中央の扉が開いて後からライトが照らす中を平山さんが現れました。主に扉の付近で身体をくねらせる動きのダンスでした。ライトは正面と背後のスポットだけで、シルエットと共に踊っている感じでした。
その次の曲は、高田三郎 子守歌、かくま狩り《ピアノの為の5つの民族旋律》より、
モーツアルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス この曲は、昨年私も昭和男性コーラスで歌ったので自然に歌詞が思い出されました。
最後は、ドボルザークの 交響曲第9番「新世界」より 誰でも知っている有名な曲です。
第2部はパイプオルガンの演奏部がステージに置かれました。
バッハの有名な「トッカータとフーガ」二短調、
レオン・ポエルマンの 聖母への祈り《ゴシック組曲より》
そしてダンスとの競演で、
オリヴィエ・メシアン 栄光を受けたからだー復活したいのちの七つの短い幻影 より抜粋
ダンスはソロで、始め黒い服をまっ取った平山さんが上手から現れてオルガン右で踊りました。手や身体をくねらせる踊りで、オルガンの周りを動きました。
オルガンの上に上がって踊る場面や、パイプオルガンのパイプの前の机の上で寝た姿勢で踊る場面もありました。最後は、明るい衣装で下に降りてきてステージで踊りました。
曲は現代音楽というかちょっと前衛的な感じがする音楽でした。踊りも前衛的な踊りでした。
ソロ・ダンスをした平山さんは筑波大学人間科学総合研究科準教授で、静謐さと昂揚を自在に奏でるダンサーとして熱い支持を集めているそうです。22日から23日まで愛知芸術劇場地下小ホールで「月食のあと」という公演を行います。
珍しいダンスとオルガンの競演は表現の新しい方向に眼を向けさせてくれるものでした。
吉田文さんのチャリティコンサートに寄せた文が素敵でしたので一部を抜き出します。(前略)
「言葉を失い、無力さの前に呆然と立ち尽くすとき、人は祈るもlのだ、と、私はこのとき(助けてあげたくてもできない自分の無力さを知ったとき)に知りました。
ドイツの教会を演奏で回ったとき、どこに行っても人びとは日本のために祈っていました。
「祈る」ということは、どのような形であろうと、「心」をあることへと向けるということです。多くの人が祈るとき、そこには、複数の心が、一つの心になるという調和が生まれます。
祈ることだけでは何も動かないかも知れません。しかし、祈りのうちには、何かを動かすことができる力を与えられるのでしょうか、それとも、何かが本当に動きだすのでしょうか。
音楽も、祈り同様に目で見ることができません。しかし、音の響きが重なり、調和となり、心へと響き、心の何かを動かすことができる力を持っていることを、私たちは知っています。
そして、パイプオルガンという楽器も、不思議な楽器です。1本のパイプでは一つの音しか出せません。しかし、何百本、何千本というパイプが集まり、一つの調和のうちに音楽を奏でることができます。
一人ひとりは無力でも、心と力を合わせれば大きなことが動かせる。私たち人間の世界のようではありませんか?
私たちの祈りが被災地へ届きますように。(後略)」
明日は、チャリティコンサート2日目について
―つづく―
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コメント
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コンサートホールの日本最大と言われるオルガンを奏でホールに響かせ人の心を打つ・・・とても羨ましいです。この日は、ボランティアで、500円以上の募金でのコンサートでした。案内を差し上げるととよかったですね。
投稿: らら | 2011年7月22日 (金) 08時18分
吉田 文さんのチャリティコンサートに寄せた文章は
確かに素晴らしいですね。「祈る」ということはどのような形であろうとも心をあることへと向けるということですで始まる祈りの意味と音楽との共通性についてはとても共感できました。以前にも吉田 文さんの
コンサートは紹介いただきました。私は一度も聴いたことはありませんが、より精神性の高い演奏をされるオルガニストではないかと推察いたします。
投稿: Toshi | 2011年7月22日 (金) 06時21分