« 憲法9条を守る活動を貫いた旧友の遺稿―最終回― | トップページ | この非常時に政局にうつつを抜かす政治家ども―被災地で汗を流せ― »

2011年5月18日 (水)

どんどん悪くなる福島原発事故―日本はどうなる?―

 17日の朝日新聞朝刊によると、福島第一原発の事故は、第一号機だけでなく、2号機、3号機もメルトダウンしていたという。一号機のメルトダウンは16時間だったというが、これはアメリカの原子力関係の想定が正しかったことを証明した。

 電源が切れ、冷却ができなくなると、短時間でメルトダウンをするということがはっきりしたのだ。

 第2号機や第3号機もメルトダウンをしていたというのは素人でも当然想定できることで、何を今更・・・という感じだ。東電も、保安院も原子力委員会も分かっていて隠していて、隠し切れなくなって公表したのであろうか。

 その点について、朝日新聞に旧日本原子力研究所研究主幹の田辺文也・社会技術システム安全研究所長のコメントが出ていた。それによると、「メルトダウンやそれに伴う汚染水の漏水など一連の事故について、3号機建屋から上がった黒煙や、すでに分かっていた原子炉内の圧力データなどから早い段階で推察できた。今回のデータを見るまでもない。」と指摘している。

 私のような原子力の素人でも東電や保安院の対応は甘すぎると思っていたがその通りであった。

 「東電がこれまでにとってきた復旧作業とその対策は、実際におきたことよりもかなり軽微な事故を想定して実施された。」と述べている。そして、「復旧のための対策には、最悪の状況を想定してやるのが鉄則である。」と厳しく指摘している。

 これも素人の私でも考えることである。その上で、「東電を指導、監督する経済産業省原子力安全・保安院も、甘い対応を認めてきたから、原発の規制機関としての機能を十分に果たしてこなかった。」とも言っている。これも全く同感である。

 保安院も経済官僚の横滑りであり全く体をなしていないのだ。

 15日のサンデーモーニングでは、コメンテーターの元衆議院議長河野洋平さんが、「日本の原子力関係者には事故を処理する知識も能力もないのではないか?世界に援助を求めるべきだ」と言った。また、他のコメンテーターからも、原子力を完全に制御する知識も力もないままに原子力発電を推進したのが間違いだという指摘もあった。

 河野氏は、日本の再生エネルギー研究は世界の最先端を行っていたのが、今では20位ぐらいに遅れてしまった。原因は、研究予算の90%を原子力関係に使ったからだと指摘した。

 河野洋平氏が自民党で原子力政策にどのような立場であったかは知らないが、息子は珍しく原子力反対派なので、或いは批判的であったのかもしれないと思う。

 涌井氏は、人間が神の火に手をつけたのが間違いであったと言ったが、人間の知恵ではとても扱いきれないという意味であろう。それを傲慢にも禦せるものと考えて原子力を化石燃料に代わる最高のクリーンエネルギーだともてはやしたのが間違いであったのだ。

 クリーンどころか、一度暴れだしたら、何万年もどうにも手がつけられない代物であったのだ。それはチェルノブイリの事故やスリーマイルの事故でも証明されたのに、懲りずに原子力発電に頼り続けたのが今回の大事故につながったのだ。

 福島の事故については、人間の犯した世界の事故として、世界中の叡智を集めることは大事だと思うが、涌井氏が指摘するように、おそらく世界中探しても対処できる人はいないだろうと思われる。

 私の知人の娘は東京に帰るのを拒んで親元にいるのだという。放射能汚染が怖いという理由だそうだ。おけらさんの九州にいる友人は、九州に来ることを勧めているという。でも、日本のどこにいてもおそらく安全なところはなくなるというのが素人の私の考えである。

 私の知り合いのオーストリアに住む人は事故が起きた当初からオーストラリアに来いと勧めてくれている。オーストラリアならまだ安全かもしれない。

 とにかく東電も政府も最悪の事態がどうなるのかを言わずに事態の悪化にいたずらに手をこまねいてきた。楽観的な想定を撒き散らし甘い対応をしてきて、やっとことの重大さに気づいたようだが、時すでに遅しである。

 東電や政府は国民全体に原発の補償をする資力があるとでもいうのか?それともなすすべもなく放置されるのであろうか?

|

« 憲法9条を守る活動を貫いた旧友の遺稿―最終回― | トップページ | この非常時に政局にうつつを抜かす政治家ども―被災地で汗を流せ― »

災害」カテゴリの記事

コメント

私のブログ4月10日「安全とコスト」にメルトダウンして容器の底に固まっているのでないかと書いています。どう考えても東電や保安院の発表は信じられませんでした。戦争中の大本営発表を思い出します。

投稿: maron | 2011年5月19日 (木) 03時42分

 政権を取ったら原子力発電推進に舵を切るというのでは、信用できません。だから国民から見放されるのでしょう。

投稿: らら | 2011年5月18日 (水) 11時18分

再生可能エネルギーの開発に努力をして、危険な原子力発電は減らして行くことが大事だと思います。

投稿: らら | 2011年5月18日 (水) 11時15分

民主党は2009年のマニュフェストでは、自然な再生エネルギーを生かした分散型電力供給システムを構築するとしてましたが、政権を奪取した途端に国民の同意なく反故にしました。民主政権が打ち出した「エネルギー基本計画」では将来電力の半分は原発に依存する。このため原発の新増設14基を推進するとしています。マニュフェスト破りは他にもあって気がつきませんでしたが、今となってはこのような重大な変更をいとも簡単にしてしまったことにびっくり仰天です。どのような経緯でとんでもない変更をしたのか明らかにする義務があると思います。

投稿: Toshi | 2011年5月18日 (水) 09時33分

レントゲン撮影を医者で検査すると微少ではありますが被爆しますが、それで多くの人が病気を早期発見して健康になる・・・今の日本でも福島や浜岡原発に右往左往はしていますが、太平洋戦争でアメリカに長崎・広島と原子爆弾を落とされてから初めて原子爆弾の威力を知ったと思いますが、電力や医療に役に立ってきた事も忘れないで今後の対処を政府の方々にも国民である私たちも考えていくことが大切だと思います。

投稿: 長谷部文子 | 2011年5月18日 (水) 09時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: どんどん悪くなる福島原発事故―日本はどうなる?―:

« 憲法9条を守る活動を貫いた旧友の遺稿―最終回― | トップページ | この非常時に政局にうつつを抜かす政治家ども―被災地で汗を流せ― »