橘座怪談噺の会を楽しむ
「名古屋に橘座?そんなものないよ。」という人ばかりでしょう。実は、江戸時代に、中区の東別院の辺りに「橘座」という芝居小屋があって大変繁盛していたたのです。
その跡地に、現在愛知産業大学高等学校が建っています。その縁で毎年2回寄席が開かれます。会場は「たちばなホール」です。
私は、落語が大好きなので、いつもこの寄席を楽しみにしています。最も、無料だということも魅力なのですが。
今回は、初回から10年目の第19回でした。テーマは、「怪談噺の会」ということで、たちばなホールは、階段式なので、階段ホールで怪談・・・なーんちゃって。
会場は、260席ですが、補助席も入れてあり、ほぼ満席でした。いつもなら別室にテレビ中継で見るぐらいの客があるのですが、怪談ということでちょっと敬遠した人もいたのかもしれません。聴衆は高齢者が98%ぐらいでした。若い人は落語には興味がないのでしょうか。
会は2部に分かれ、第1部は話芸研究家で有名な関山和夫さんの「三遊亭円朝と怪談噺」でした。関山さんの話は、林家(4代目までは林屋)と怪談噺の関係とか牡丹灯篭などの怪談のことなどで、三遊亭円朝と本日の真景累ケ淵のことは余りなく期待はずれでした。
ただ円朝のこの作品は、因果流転の話で、彦六は「幽霊になってまで出てこなければならないことを考えよ」と言ったそうです。
円朝は、人生の種々相を描いたのだそうで、背景に流れるものとして「凡夫の迷いを断ち切って正しき道(仏教)につく」を知っておくことが大事だそうです。
「累」というのは女性の名のことで、26年間にわたり、たたり続ける執念なのだそうです。
この噺は、旗本が金貸しの鍼医皆川宗悦を切り殺したことを発端に両者の子孫が次々と不幸に陥っていく話(前半部分)と、名主の妻への横恋慕を発端とする敵討ちの話(後半部分)を組み合わせている。全97章から成る。1859年(安政6年)の作です。
この日の演者、林家正雀の師匠の彦六も得意とした話だということです。この日の噺は、真景累ヶ淵の豊志賀からお久殺し迄でした。私は、この噺を聞くのは初めてでした。理由は、円朝の有名な噺だとは知っていましたが、怪談は好きではないので敬遠していたからです。
でも、聞いてみましたら、それほど怖い話ではありませんでした。落語にはしみじみと聞かせる、人情噺という分野があり、怪談噺、芝居噺、音曲噺があるといいます。
正雀の描き方は立て続けの語り方であり、もう少し細やかさがほしいと思いました。
最後に、奴さんと姐さんと、松の扇子を3本使った踊りが披露されました。
橘座寄席は、次は、20回記念として秋にあるそうで楽しみです。
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