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2011年5月17日 (火)

憲法9条を守る活動を貫いた旧友の遺稿―最終回―

(11)みなさんへのお願い

 最後にみなさんにぜひお願いしたいことがあります。この前の国会で「国民投票法案」が強引に採択されてしまいました。表向きは「憲法改定」に賛成か反対かを問うということになっていますが、いちばんの狙いは、《9条の改定にあります。とんでもない法律です。これに基づいて三年後の2010年に国民投票が行われようとしています。

 国民投票のためには、まず「憲法96条」により衆議院・参議院のそれぞれで3分の2の議員の賛成が必要です。これを「発議」と言っています。これに基づいた「法」についての国民投票をし、有効投票の賛成が2分の1以上あれば、憲法を改定することができるということです。

 衆議院では改憲派の国会議員はすでにその数に達しています。今後の選挙で変わるかもしれませんが、現状ではそうなっています。一方、参議院ではこの前の選挙の結果、態度を変えた議員も出て、現在では3分の2にはなていませんが、様子窺いをしているというのが現状で、いずれは出してくると思われます。 

 ここで問題なのは、《2分の1の賛成があれば改訂できる》ということの中身です。憲法のような国の法律の土台ともいうべきものならば、「投票権を持った人」(18歳以上の人に投票権を与えると言っていますが)、つまり有権者の2分の1の賛成であってもよさそうなのですが、そうではない。「投票をした人」ということなのです。

 具体的にいうと、次のようになります。「投票権を持った人」が100人いたとします。その60%が投票したとします。60人です。その2分の1が賛成ですから、30人の賛成、つまり投票権を持つた人(有権者)の30%が賛成すれば、《憲法を改定してもよい》と判断した人の過半数になったという理屈がつけられてしまうのです。

 たった30%の賛成で、みなさんはもとより、子どもさんやお孫さんの将来まで決められてしまうのです。

 もし、戦争にでもなったら、病院関係のみなさんは真っ先に戦場へ行くという命令が出される筈です。

 そのため過半数改定に賛成するよう、さまざまな《目くらまし》が仕掛けられて来る筈です。

 その一つが憲法には足りないところがいっぱいある。「棄権権」・「プライバシイー権」がない。「権利」ばかりが書かれていて「義務」が書かれていない、などなど・・・・。

 ところが、憲法の第3条をよく見ましょう。《国民の権利及び義務》という章です。大10条から第40条までありますが、ここをきちんと解釈し、正しく行使していたら、ずべて解決されている筈です。

 いちばんの狙いはどこにあるか?「憲法第9条」改定です。それではあまりにも露骨だということで、あれこれ言っているに過ぎないのです。一括りにして「賛成」か「反対」に○を付けさせようといているのです。

 《目くらまし》へ向けて大キャンペーンが張られることでしょう。でも、それに騙されてはならないのです。

 このことを見破って欲しいこと、そして、「国民投票」の際には、【9条を守ろう】というはっきりとした意思表示をしていただきたいと願うものです。

(12)私の決意

 私はこんな身体になってしまいました。あと何年生きられるか分かりませんが、何としてもあと3年は生きたい。3年後の2010年には「国民投票」があります。投票場へぜひ行きたい。どんな投票形式になるかはまだ分かりませんが、そこで「9条改定には反対」とい意思表示をしたいのです。

 歩いていけなかったら、這ってでも行きたい。人に担がれてでも行きたい、そんな決心でいます。

 このことを最後に、話を終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

 旧友野崎君が亡くなって弔問に行ったとき、奥さんから是非読んでほしいと印刷物を頂きました。今年の憲法記念日を機にblogに掲載しようと思い立ち、奥さんの許可を頂いて載せました。

 幸い、とても参考になったとか、とてもよい話で感動したなどの声をあちこちから聞きました。blogに載せてよかったと思っています。

 なお、16日のおけらさんの「おけらの いつかは青空 脱原発」blogに紹介されている毛利正道弁護士のblogには、次のような指摘があります。

 「トモダチ作戦」など米軍による救援をてことしつつ、「震災協力」を通した日米同盟の深化が企図され、他方、火事場泥棒的に、参議院憲法審査会規程の決定・前原誠司の民主党憲法調査会会長就任・改憲発議要件の3分の二から2分の一への緩和のみの改憲提案など一連の改憲策動がなされていること。

 これ以上の詳細は書いてないので分かりませんが、もしそうだとすると、改憲の動きは大震災の事後処理で忙しい中でも執拗にあるということです。油断大敵です。

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コメント

 今朝の新聞によりますと憲法改定に向けての手続きを参議院で決めたと書いたありました。この非常時の中でも着々と準備がされているのです。

投稿: らら | 2011年5月19日 (木) 08時37分

自衛隊のイラク派遣は憲法違反であるのに自民党の小泉首相は派遣しました。
以前、後方輸送援助であろうと憲法違反であると判決は出ましたが、その事を以前ブログに書いたことがあります。
イラクで戦った米国、イギリス、イタリア、フランスなどアルカイダのテロに悩まされました。日本も標的にされていたが、日本にはアラブ人が少なく協力者が少ないために国内でテロは起こらなかったといわれます。
「目には目を、歯には歯を」九条は守らねばなりません。

投稿: maron | 2011年5月19日 (木) 04時34分

イラクやアフガンなどから無事に帰国しても重い心の病になる人が何万人もいると聞きました。結局、底辺の人たちは救われないようですね、

投稿: らら | 2011年5月17日 (火) 09時59分

イラクやアフガンにでかけ作戦を遂行しているアメリカの兵隊さんたちは貧しい若者や兵役を済ますとアメリカの国籍がもらえるといった弱い立場の人たちが多いと言われています。
そういえば福島原発の高炉に入って命がけで作業をしている人達の中に東電の正社員の人は一人もいません。お金がないのでやむを得ずやっているのです。
戦争になれば、国会で議論している議員達の子弟は絶対、戦争に駆り出されないでしょう。
ことが起これば、弱い立場にある人にしわ寄せがいくのは世の常です。ノーブレス・オブリージュ。高貴なるが故の責任という言葉を為政者はしっかり噛みしめてもらいたいものです。

投稿: Toshi | 2011年5月17日 (火) 09時42分

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