必読文献―「原発がどんなものか知ってほしい」-平井憲夫著
友人から、平井憲夫さんという一級配管技術者のblogアドレスが送られてきました。読んでみますと、驚くべき事実で埋まっていました。
平井さんは、長年、原子力発電所を造る工事に携わってきた人です。ですから工事の隅々までよく知っておられます。その人が、亡くなる少し前に原発の本当の恐ろしさを知ってほしいと書かれたものです。
彼が次のように書いている部分を抜き出します。
「私は危険な内部被曝を百回以上もして、癌になってしまいました。癌の宣告を受けたとき、本当に死ぬのが怖くて怖くてどうしようかと考えました。でも、私の母が何時も言っていたのですが、「死ぬより大きいことはないよ」と。じゃ死ぬ前になにかやろうと。原発のことで、私が知っていることをすべて明るみに出そうと思ったのです。」
いわば平井さんの遺言のようなものです。彼は冒頭に次のように書いています。
「
私は原発反対運動家ではありません。二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。」 平井さんが、「原発がどんなものかを知ってほしい」を書いてからもう16年も過ぎました。けれどもその内容は今まさに私たちが知りたいと思ってるなまなましいものです。 実際に原発工事に携わった物でなければ分からない、知りえないことをはっきりと書いています。 私の妻が、「魚はもう食べられない。」と言っていました。私は、「そんなことはないよ。福島からは随分離れた海で獲れた魚は大丈夫。」と言いました。私は魚大好き人間なのです。 でも、平井さんの文書を読んで、放射能で汚染された水が海に垂れ流しにされていたことを知り、怖くなりました。平井さんは、「本当のことを知ると魚は食べられなくなる」と書いているのです。 平井憲夫さんの略歴 1997年1月逝去。 「原発がどんなものかを知ってほしい」のアドレス:
1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人。
「原発被曝労働者救済センター」は後継者がなく
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平井さんのblogは文章を読む限りでは原発推進の人たちがいうような人を惑わせるものでは決してないと思います。
福島第一原発事故の処理は結局にっちもさっちも行かなくなるのではないか?と私はとても心配しております。
投稿: らら | 2011年4月21日 (木) 15時17分
小出 裕章氏と同様に今回初めて平井 憲夫氏の存在を知りました。もしこの文章をこの度の福島原発の事故が起こる前に読んだならば、小生もその内容の信ぴょう性をかなり疑っただろうと思います。
当時、多くの識者が彼の指摘した問題個所を事実誤認と反論していることでも明らかです。
でも、不幸にして彼が予言したような大事故が起こってしまった現在、枝葉の議論は別にしてその先見性に
驚愕しました。何よりも彼は現場で実際に仕事をした
体験を踏まえて書いているのでとても説得力があると
思います。
丁度、チェルノブイリの原発事故が起こって25年だそうですが、原子炉を覆う石棺が崩落の危機にあるとか。要するにまだこの事故は解決せずに続いているということです。
国のこれまで推進してきた原子力事業をゼロベースで見直すのは当然のことだと思います。
この期に及んで中電の水野社長は周辺住民の皆様(浜岡のことか?)にご理解いただくよう説明していきたいと言ってますね、、。どう説明するのでしょうか??
投稿: Toshi | 2011年4月21日 (木) 15時02分