誇るべき大災害後の日本人の節度ある態度
桜待つ 心いまだ晴れやらず
激震被災者の あるを思えば
16日の朝日新聞朝刊「ザ・コラム」に、山中季広ニューヨーク支局長が「立ち向かう姿に賛嘆のまなざし」と題して書いていました。
それによりますと、世界各国から東北・関東大震災とそれに伴う大津波に対処した日本人の行動を賞賛しているというのです。同じような記事は3日ほど前の日経新聞にも、囲みの記事として紹介されていました。
朝日の記事から拾いますと、まず、インドのビジネスライン紙は出張で宇都宮にいてはじめて地震に遭遇したビジネスマンの話を紹介しています。
「日本人は誰もパニックに陥らなかった。動揺する外国人を机に下にもぐらせ、避難場所へ手際よく誘導してくれた。地震にここまで冷静に対処できる国は日本しかない。」と讃えたそうです。
これと同じことを私が教えている中国人から聞きました。「日本語学校で授業中に(今回の)地震があり非常に驚いたが、先生は悠然として、落ち着くように話して机の下に入るように言った。」というのです。
中国の環球時報も、「数百人が広場に避難したが、毛布やビスケットが与えられ、男性が女性を助けていた。3時間後に人がいなくなったとき、ゴミ1つ落ちていなかった。日本人の冷静さに世界が感慨を覚えている。」と報じたそうです。
中国の救援隊は大船渡市に入ったと思うのですが、きっと多くのことを学んで帰るのではないかと思います。
もう少し、拾います。「各国の報道陣が驚きの視線で報じているのが、甚大な被害を受けながら日本の人びとが、少しも節度を失わないことである。進んで食べ物を分け合う被災者の姿に感じ入り、怒号も喧嘩も起きない避難所の静けさに心を動かされているのだ。そのひとりニューヨーク・タイムズのニコラス・クリストフ元東京支局長は阪神大震災をのとき、『店という店のガラスが割れ、商品がすぐそこに見えているのに誰も盗もうとはしない。救援物資を待つ列が長くても奪い合いすらおきない。』と感心しているそうです。
他の国では、アメリカでさえ店の品物を奪ったり、ハイチなどでは救援物資を争って取り合う姿が映し出されていましたが、日本の映像では見ることがありません。秩序正しく、避難所生活を送っている様子が見られます。
今回の地震でも、誰かが救援物資を大量に盗んだところもあるようですが、多分少ない例だろうと思います。
ところで、もう一つ紹介されている海外メディアが注目していることがあります。それは、「日本では、被災地であからさまな便乗値上げが横行しないことだ。水や米が地震前と同じ価格で売られ、しかも、人びとは我慢強く、店の前に何時間でも行列をして待っている。」といい、ハーバード大の有名なマイケル・サンダー教授の「日本以外では考えられないことです。いくら街が廃墟になっても、人びとは自制心を緩めず、わが街のために結束しています。被災後の市民の振る舞いには胸を打たれました。」というコメントを添えています。
私は、ザ・コラムや日経の囲み記事を読んで、とても嬉しくなりました。江戸時代や明治の始めに日本に来た外国人が伝えた日本人のよい面が、危機的状況の中でまた見られたのです。
どんなに悲惨な状況におかれても、秩序を失わず、忍耐をして、助け合って切り抜けようという日本人のよい面がはっきりと示され、それが外国の目から評価されていることに誇りを持ちたいと思います。
16日の朝日新聞夕刊から追加です。
イギリスのインディペンデント・オン・サンデー紙が13日、一面トップに、がんばれ日本、がんばれ東北、Don't Give up Japan、 Don't Give up Tohoku というエールを掲載しました。
きっかけは、被災したお笑い芸人ザ・サンドイッチマンの伊達みきおさんが書いたblogだそうです。blogを読んだ編集長が感動をしたのだそうです。そのblogはつぎのものです。
「全てのお店は閉まっています。信号もありません。でもね、お互いちゃんと助け合って順番を譲り合ったりしています。だから変な事故とか争いがありません。みんなスゴイです。
戦後俺たちのじいちゃんやばあちゃんは日本を復活させた。世界には奇跡といわれた日本の復興。必ず復興します!東北をなめるな!」
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コメント
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前にも書きましたが、石原氏を都知事に選ぶのは恥ずかしいことです。よくも「天罰」だなどと言えたものだと思います。そこへいくと、外国人の率直な賞賛は嬉しい限りです。
投稿: らら | 2011年3月17日 (木) 12時39分
石原都知事はこの度の未曾有の大震災のことを日本に対する「天罰」と発言し物議をかもしています。
彼の言によれば、日本人のアイデンティティは近年我欲になり、政治はポピュリズムに堕していると。
都知事選への出馬を自民党からの強い要請があったにせよ土壇場で表明する態度は結果的に我欲と言われてもしかたがないし、何よりも彼はポピュリズムの本家本元です。
被災者は我欲という言葉からはもっとも縁のない人達でした。不謹慎を承知で言うならば、天罰は不毛の政争に明け暮れる政治家にくだるべきでした。
それなのに神は何と無慈悲なことを、、、。
投稿: Toshi | 2011年3月17日 (木) 10時19分