研究者の想定をも超えていた大津波
あの東北・関東大震災から早くも13日が過ぎました。死体が見つかっても身元が特定できたのは僅かだと聞きます。行方不明者数は17000人余りと言われますが、これからまだまだ増えるだろうとテレビでは報じており、聞くたびに胸が痛みます。
テレビの画像を見ますと、建物の上に自動車が載ったまま残されていたり、電柱の傍で逆立ちしていたり、考えられないような映像を見ます。自動車を運転していた人はどうしたのだろうと思います。無事に逃げられたのならいいのですが。
21日のNHKクローズアップ現代で、岩手県の釜石市だったと思うのですが、ハザードマップが役に立たなかったことを取り上げていました。市では岩手大学の津波研究者の作ったハザードマップを元に4億円余りの避難施設を造りました。住民は避難訓練もしていたようですが、その施設に避難した人が20数人亡くなったと言っていました。
生き残った人も3階まで来た水に辛うじて天井辺で口を出して息をしていたと言いました。津波は、ハザードマップの想定区域のはるか奥まで押し寄せたのです。
同様のことは、宮城県石巻市でも起こりました。指定避難所が津波に崩壊し避難していたお年寄りなど40人のうち37人が亡くなったと新聞に書いてありました。
こういうことは他の市町村でもたくさんあったに違いありません。何しろ、津波によって根こそぎ持っていかれたのですから。テレビの映像を通して間接的に見るだけでも想像を絶する光景です。
なまじっか被害区域が想定されていたので、それ以上の津波に対応できなかったのでしょうか?いずれ今回の大津波が詳細に分析されることだろうと思います。
幸い今回は地震がおきませんでしたが、想定されている東南海大地震では、今度の大地震と大津波の教訓から学ぶことが多いと思います。現状では、海岸近くの街を守ることは難しいでしょう。だからどう逃げるかを考える必要があると思います。ただ、原子力発電所は海辺にありますから、その被害だけは何としても食い止めてもらいたいと思います。
地震発生から9日目に奇跡的に救出したおばあさんと孫がいました。いつの地震でも必ずこうした奇跡の生存者がいるのが不思議です。でも、大きな力を与えてくれます。
行方不明の人びとが少しでも早くひとりでも多く見つかることを祈っております。
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今日の新聞にも、想定外の津波で助かった人、亡くなった人のことがいくつか出ていました。今回の津波のことをDNAに刻んで後世に伝えなければと思います。きっとそうなることでしょう。
大津波対策や原発対策も抜本的に改められるに違いありません。
投稿: らら | 2011年3月23日 (水) 16時42分
想定値は多分、過去に経験した最も大規模なものを前提にして決めるのだと思います。でもそれ以上のものが起こらないとは決して断定できません。
ただ想定値を引き上げていけば、それに耐えうる構築物の建設費用は無限に膨らむことになります。
身近な住宅の耐震基準についても想定以内であれば大丈夫ということに過ぎません。
ことは命にかかわることだけに安易な妥協は許されません。今回の大災害はこれまでの防災に対する考え方に根本的に見直しを突きつけました。
投稿: T | 2011年3月23日 (水) 13時25分