2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 買占め?単一乾電池が売り場から消えた | トップページ | 夏を越したシクラメン ―今が盛りのとやっと咲いたのと »

2011年3月19日 (土)

福島第一原発事故へのいくつかの疑問

 東北・関東大震災により福島原子力発電所では「想定外」と言われる大事故が発生した。6個ある原子力発電炉のうち、第一号から第4号までが制御不能になり、大3号、第4号では建屋がふっとんでしまった。そもそも想定外というのは極めて無責任な言い方である。責任逃れと言われても仕方がない。

 東京電力や政府は、その対策に大童である。17日には自衛隊のヘリコプターから4回にわたり7.5トンの水を投下したり、自衛隊消防車5台で30トンの水を注入した。

 それでも放射能のレベルはそれほど下がらず相変わらず危険な状態が続いている。

 それで、18日にも11台の消防車と米軍車両まで借りて数十トンの水を注入したということである。さらに18日午後には、やっと送電線を発電所に結合すると言われている。

 地震発生から1週間が経過したが、その間テレビや新聞報道をずっと注目して、はらはらしながら、何とか最悪の状態にならないようにと祈りながら、見てきた。

  私のオーストラリアの知人は毎日心配してemailをくれ、いつでも避難して来るようにと勧めてくれている。日本人は簡単には逃げられない。何とかこれ以上悪くならないようにと関係者の必死の努力に感謝し期待をするのみである。

 ところで一連の経過を見ていて、素人として、何もできない傍観者として幾つかの疑問がある。

 原子力発電所の建設に当たっては当初から反対の声や危険性を危惧する声が多くあった。それに対して政府や関係者は安全だと言い続けてきた。

 「安全神話」である。万一の場合には、「原子炉を停める」「冷やす」「放射能を閉じ込める」ことで可能だから心配することはないと言ったのだ。しかし、神話は見事にくつがえされた。

 確かに地震で原子炉は停止した。しかし、「冷やすこと」はできなくなった。それは、冷やすのに必要な電気が停まったからである。その上予備の発電装置も動かなくなった。バッテリーはすぐになくなった。

 仕方なく何とかして水を撒くという手段に出たのだが、成功したとはいえない状況である。

 片隅の報道によると、福島第一原発の第一号炉の建設に携わったGEの技術者が安全対策が不備なことを指摘したが、費用がかかるということで取り上げられなかったので退職したというのだ。

 もう一つは、IAEAの検査で2002年ごろだったか安全面での指摘がされていたと朝日新聞に出ていた。

 さらに友人からのmailで、共産党の志位委員長が2007年のチリ地震での津波被害から東京電力に津波への安全対策を強化することを提案したが、東電は受け入れなかったことを知った。

 この三つのことから出る疑問は、どうして分かっている安全面の不備を正す対策を採らなかったのかということである。

 素人の考えでも、地震や津波等による停電への対策がなかったのではないかと想像きる。また、その場合に非常用の電源が動かなくなることを想定しての十分な対策もしていなかったように思われる。

 こうしたことは、原子力発電は安全であるという過信から生じたものと言えよう。

 原子力発電のような放射能を発生する装置には、考えられるだけの何重ものバックアップが用意されてあるべきであった。それがもし、多額の費用がかかるからとか、こんなにはひどくはなるまいといった安易な想定で、十二分なバックアップシステムが作られていなかったとすると、人災としか言いようがない恐ろしいことである。

 次の疑問は、送電線が回復したとして、果たして地震と津波でストップした装置がうまく稼動するかということである。水を送ったり循環させたりすることや原子炉の監視ができるのであろうか?

 更なる疑問は、フランス政府やアメリカ政府が指摘しているように放射能の拡散が、政府の発表以上にひどいのではないかということである。諸外国は、アメリカ、フランスのように在日の自国民を避難させようとチャーター機を送ってきたとか即時の避難勧告をしているのだ。アメリカなどの会社は既に東京から撤退したところもある。

 

201103188949371n

 

« 買占め?単一乾電池が売り場から消えた | トップページ | 夏を越したシクラメン ―今が盛りのとやっと咲いたのと »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

東電の下請けがやっていることは知りませんでした。記者会見を見ていてもちぐはぐなことを言っていることがありましたが、直接やらないからわからないのでしょうか。
 何とかこの危機を乗り越えて欲しいと願います。

広島、長崎の原爆を経験していますが、当時は今と違って放射能の恐ろしさは知らされていませんでした。あの壊滅の悲劇から立ち直ったのですから今回もきっとよい方向に行くことを信じたいです。

今朝の新聞に原発で最も危険な現場の作業をしているのは下請け人達で、正社員の東電の人達は現場のことは分からず下請け任せということが書いてありました.多少の誇張があるにしても、これには正直なところ大変驚きました。
一つ間違えば、今回のような大事故につながる原発の
末端の作業が下請け任せだったとは??
これでは非常時に事態の正確な把握と敏速な意思決定が素人判断でも円滑に進まないように思えまが、、。
でも今は目前の危機を何とか回避して欲しいと祈るばかりです。

この度の東北・関東大震災には本当に多くの犠牲になられた方々に加えて原発という事故まで加わり言葉が出ませんね。日本人は礼儀正しく秩序を守る国民になったのも、過去の長崎・広島にアメリカにより原爆を落とされて、10万人の人々がその爆弾で家族を失くし家を焼かれ身体には60年以上の苦しみを負って生きてきた国民性にもあるような気がします。アメリカが守ってくれるだろう・・・と。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 福島第一原発事故へのいくつかの疑問:

« 買占め?単一乾電池が売り場から消えた | トップページ | 夏を越したシクラメン ―今が盛りのとやっと咲いたのと »