英語などに訳せない日本語
日本語には、独特の表現があります。
先日英語会話クラブで、ある人が「シャキシャキとした口当たりというのはどう言えばいいのだろう?」と言いました。これは食べ物の食感です。これに類した表現はいろいろあります。
パリパリ、ガリガリ、モチモチ、ネバネバ、カリッと、サッパリ、パサパサ・・・・など。
同じシャキでも、あの人はシャキっとしているなどという場合もあります。ネバネバでも、あの人はネバッコイ性格だなどと言います。サッパリもそうです。気性がサッパリとしていると表現します。ガリガリに痩せていると言ったり、ガリ勉などという言い方もあります。以前は、あの人はパリパリのアメリカ帰りだとよく聞きました。
ニコニコ笑う、にっこりする、シクシク泣く、さめざめと泣く、息を殺して泣く・・・・など笑いや泣く表現も豊かです。京都には、はんなり、ほっこりという言い方があると聞きますがとてもよい語感です。でも、京都に住んだことがない私には実感できません。
何でも雨を表す表現は80ぐらいあると聞いたことがあります。春雨、氷雨、時雨、梅雨、菜種梅雨、野分、霧雨・・・・。
こういうものを正確に外国語にすることは、多分どんな名通訳でも、或いは翻訳者でもできないのではないかと思います。
私たち日本人は生まれてこの方生活して来る中でこういう表現を体で感じその気分や感覚を覚えていきます。
ですから、仮に英語(外国語)にできたとしても、その本当の感覚まで伝えることはできないでしょう。
日本語は大変豊かな表現力を持った言語だと思います。長い歴史の中で作られてきたものです。そういうものを大事にしていきたいと思うのです。
参考 雨を含む言葉は425もあるそうで、下記のは広辞苑にある185語をネットで拝借してきました。(人名や比喩も入っています)
秋雨、 秋時雨、 秋入梅・秋黴雨、 秋の雨、 朝雨、 雨、 諫早豪雨、 一味の雨、 偽りの時雨、 糸雨、 淫雨、 陰雨、 丑雨、 梅の雨、 雲雨、 液雨、 蝦夷梅雨、 煙雨、 大雨、 快雨、 怪雨、 笠時雨、 片時雨、 空梅雨・乾梅雨、 寒雨、 甘雨、 寒九の雨、 干天の慈雨、 寒の雨、 喜雨、 祈雨、 樹雨、 北時雨、 北山時雨、 気違い雨、 黄身時雨、 急雨、 暁雨、 尭風舜雨、 霧雨、 霧時雨、 黒い雨、 恵雨、 紅雨、 膏雨、 降雨、 豪雨、 黄雀雨、 黄梅の雨、 穀雨、 黒雨、 黒風白雨、 心の雨、 小糠雨、 木の葉時雨、 五風十雨、 細雨、 催花雨、 斎藤緑雨、 桜雨、 五月雨、 小夜時雨、 山雨、 残雨、 さんさ時雨、 酸性雨、 地雨、 慈雨、 時雨、 櫛風沐雨、 篠突く雨、 繁雨、 柴榑雨、 しぶき雨、 驟雨、 集中豪雨、 宿雨、 暑雨、 小雨、 少雨、 請雨、 瘴雨、 硝煙弾雨、 甚雨、 人工降雨、 翠雨、 瑞雨、 星雨、 晴雨、 青雨、 積雨、 蝉時雨、 疎雨、 曾我の雨、 漫ろ雨、 袖笠雨、 袖時雨、 袖の雨、 空の時雨、 多雨、 筍梅雨、 弾雨、 地形性降雨、 血の雨、 朝雲暮雨、 梅雨・黴雨、 露時雨、 鉄砲雨、 照り雨、 照り梅雨、 照り降り雨、 天気雨、 凍雨、 通り雨、 時知る雨、 時の雨、 虎が雨、 長雨、 長雨・霖、 菜種梅雨、 涙雨、 涙の雨、 俄雨、 糠雨、 濡れぬ雨、 残り梅雨、 法の雨、 沛雨、 白雨、 麦雨、 走り梅雨、 長谷川時雨、 初時雨、 花の雨、 速雨、 春雨、 春時雨、 氷雨、 飛雨、 微雨、 大雨・甚雨、 肘雨、 肘笠雨、 日照り雨、 一雨、 一時雨、 日向雨、 火の雨、 風雨、 巫山の雲雨、 暮雨、 法雨、 暴雨、 暴風雨、 ほまち雨、 松風村雨、 水取り雨、 虫時雨、 叢雨・村雨、 叢時雨・村時雨、 恵みの雨、 猛雨、 濛雨、 沐雨、 戻り梅雨、 八重雨、 藪雨・藪鮫、 遣らずの雨、 夕時雨、 横雨、 横方雨、 横時雨、 横瀬夜雨、 夜雨、 雷雨、 流星雨、 涼雨、 緑雨、 霖雨、 冷雨、 零雨、 霊雨、 連雨、 若葉雨、 私雨
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