品位ある老人というコトバ
本屋で立ち読みをしていたら、ある本に「品位ある老人」という項目があるのを見つけました。著者は黒井さんという人でした。「品格」という言葉は、確か「国家の品格」という本が売れたので、それ以後多くの人が「品格」を入れて本を書いています。「品位」というのは「品格」と同じなのかどうか分かりませんが、感じとしては「品格」ほどではないようです。
この著者の場合は、僅か2ページに書いているでしたが、「品位ある老人」にちょっと興味をそそられました。
品位ある老人というのはこういうものだとはっきり書いてあるわけではありませんが、そういう老人が少なくなったようだということでした。品位ある老人はきっと目立たない立ち居振る舞いをするのだろうとも書いてありました。
イギリス紳士のように、山高帽子に背広でステッキを持って・・・というように紳士はこう、淑女はこうという、そういう決まった形があるわけではなく、ごく普通なのにどこか品位を漂わせているということを想定しているようです。
私自身も世間から見れば、いつの間にか後期高齢者ですから、いわゆる老人なのでしょうが、私は「老人」という言葉が嫌いです。中国語の「老」には、さまざまな意味がありますが、日本では、主として「年をとった」という意味で使われています。
老人のイメージとしては加齢と共に身体が衰えて人生の終わりが近づいている人という感じではないでしょうか。
誰に聞いても、年をとっても気分は若いという人がほとんどです。自分では年をとったとは思いたくないのがそうさせているのか、それとも本気でまだ若いと思っているのか、まあ、両方かも知れませんが。
そういう訳で、「品位ある老人」などとは思いも及びませんでした。さて、そこで「品位ある老人・・・・・」と周囲を見回してみても、この人が「品位ある老人」と思える人はわかりません。黒井さんは、人生を長い間生きてきてその間に自然に身につけたものがにじみ出た言いがたいよさのようなものを想定しているようです。
昔、私の祖父母の時代には何となく品位が感じられる老人というのがいたように思います。それがだんだんと少なくなってきたようには感じます。それだけみなさんが高齢になっても年齢を感じさせなくなった人が増えたのかも知れません。つまり、いつまでも若い気持ちで生きようという人が多くなったのだと思うのです。
「品位ある老人」というからには定義が必要だと思います。最近、曽野綾子さんとご主人の三浦朱門さんが老人の生きかたの本を出して好評のようですが、お2人ならどう定義されるのでしょう?
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