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2011年2月21日 (月)

自壊する民主党と情けない政界―混沌の時代の始まり―

 民主党は、小沢チルドレンの16名が会派離脱を宣言して党内が流動し始めた。比例下位で当選した議員たちなのでどうせ次回には当選の見込みが少ないから造反したようだ。親分の小沢氏も認めたのだという。

 小沢氏は、自分が党員権停止処分を受けたので、菅首相に一矢を報いるための魂胆だと言われる。何とも情けないことではある。小沢氏は、「菅はもう駄目だ」と言ったのだとか。

 今、民主党は予算案を提出して国会で審議をしているが、予算案は衆議院を通過するにしても関連法案が参議院で野党により否決される見通しである。それを通すには衆議院で2/3の多数決で再可決しなければならないが、その見通しが全くたっていないといわれる。

 そこへ民主党内から16名+αの造反が出るので全くニッチもサッチも行かない状況らしい。この上は、菅首相が退陣するか衆議院解散かしか道がないのだという。

 でも、菅首相が辞めて誰かが次の首相になっても、それで予算関連法案が国会を通過する保障は何もない。第一、自民党も公明党も真っ向から反対をしている。彼らは今こそ民主党を追い込む絶好のチャンスだと考えている。

 この大事なときに、党内から造反が起きるということは民主党がいかにいい加減な頼りない集団であるかを露呈したものである。折りしも内閣支持率は10%台に落ちてしまった。

 今解散して総選挙をすれば民主党は惨敗をするであろうが、自民とが大勝するとは思えない。おそらく小党が乱立して多党の時代になるのではないだろうか?そうなるとおそらく連立政権になるのであろうがその政権が国民の期待にこたえる政権になるとは到底思えない。また、泥沼の政治合戦が続くものと予想される。

 サンデーモーニングで、毎日新聞の岸井氏が、民主党のふがいなさと野党も含めて政治家どもの資質の低下を指摘していたがその通りだと思う。日本の政治家はなんと劣化したものであろうか。

 その責任は国民にもある。折角の参政権を行使せず他人任せにしてきたことやデモその他の手段によって政治に物申してこなかったことが大きいと思うのだ。

 おりしもアラブ諸国ではチュニジアを発端にして、エジプトでも大統領が辞任に追い込まれ、いまやリビア、バーレーン、イランなどにも波及している。

 それらの国では、抑圧さらた人民のパワーが炸裂しているが、日本では、インターネットがアラブ諸国よりも発達し自由度が高いにもかかわらず、今の政治状況に対する批判や動きは見られない。これはどういうことなのであろう。

 私は、こういう逼塞した状況が続き、国民の落胆が大きくなると、それに便乗してファシズムにつながるような強権政治家が現れるのではないかと怖れる。河村市長や橋本知事などが人気を集めているが、これは今の状況への不満が分かりやすい減税10%ととか議員報酬半減などに目を眩ませられているところがあると思う。

 永年の自民党・公明党政権に我慢できなくなった国民が民主党に希望を託したがそれも裏切られて、大きな失望を感じているところに新しい勢力が魅力的なことをスローガンにして人気を取っているのだ。

 今や混沌の時代になったのだ。だれがどのようにしてリーダーシップを発揮していくのかをよく見極めることが大事だと思う。

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