2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 日本の静かな正月はいい―正月は静かなのがよい | トップページ | 釈迦の教えは宗教ではない »

2011年1月 4日 (火)

中日新聞によい記事を見つけました

 3日に新瑞橋のサティのラウンジで中日新聞を見ていましたら興味のある記事を見つけました。

 一つは、法政大学の坂本光司教授の研究に関するものです。坂本教授は、40年にわたり、実に6500の企業を訪ねて足で調べた実証的研究をしたそうです。そして、優良企業に共通するものを見つけたのだということです。

 それによると、優良企業は、

 ① 社員やその家族を大事にする。

 ② 下請けや高齢者を大事にする。

 ③ 障害者を大事にする。

 ということです。つまり、弱い立場の人を大切にするということです。

 これは素晴らしい研究結果だと感心しました。

 これまで、大企業を始めとして、日本の企業は、アメリカの後を追って、業績主義、利益第一の経営をして、株主を優先し、働く人びとをないがしろにして、平気でリストラをしたり、人件費の節約のために派遣社員や臨時工などに頼ってきました。大企業の下請けの会社もそれに倣って同じような経営をしてきたのです。

 ところが、中にはそうでない経営をしてきた企業もあったのです。それが上記のような企業で、見事に業績も伸ばしているというのです。

 坂本教授は、「リストラは会社を滅ぼす」とまで言っています。この研究は私たちに勇気を与えてくれます。アメリカのグローバリズムは利益第一で儲けるためには何でもやるというやり方です。日本の企業もそれをよしとして従ってきました。それが破綻したにも関わらず、またぞろその道を進もうとしています。

 経済発展の著しい中国も同じ道を進んでいるようです。

 そうした潮流の中で、あえて人びとを大事にするやり方で成功しているというのは素晴らしいことで、これからの企業のあり方としても示唆に富んでいます。

 人の能力を信じ、それを大事にしていくことによって、みながそれぞれの持つ力を存分に発揮して、それが企業の業績にアップにつながるというこどなのです。

 同じ日の、別の記事に、もう一つ面白い記事を見つけました。それは、アメリカのハーバード大学のサンデル教授に関するものでした。

 サンデル教授は、市場主義は極端な個人主義に向かう危険性があると指摘しています。小泉政権の下で竹中大臣は市場主義を推し進めました。その結果格差が拡大し、リーマンショックにより経済は低迷を余儀なくされました。

 サンデル教授は、経済主導は政治を貧困にすると言っているそうです。それより社会正義、生活の質、公共善が大事だと言っているそうです。

 日本人は、アメリカ人と違って、社会の平等、不平等に関心が高いことが分かったといっているそうです。確かにそれはいえると思います。

 私たちの関心は、企業が業績をあげ、それを働く人に分配せず、溜め込んで更なる利益を追求することではなく、人びとが相応の報酬を得て内需が拡大する方が大事だというところにあります。

 サンデル教授は、日本は中国にGDPで追い抜かれ、第三位になることにたじろぐなとも言っているそうです。私も、GDPが中国に抜かれることなど大した問題ではないと思います。

 日本は、国民一人当たりのGDPでは、世界16位だそうです。GDPは国としてのものです。いくら2位でも、3位でも、国民の生活は必ずしもよくなっていないことの方が大事です。

 中日新聞の記事は、図らずも日米教授の両面から新しい視点を提供してくれていました。

« 日本の静かな正月はいい―正月は静かなのがよい | トップページ | 釈迦の教えは宗教ではない »

マスコミ」カテゴリの記事

コメント

 ブッシュとそれに追随した小泉・竹中路線で新自由主義が跋扈しました。自己責任だとか自助努力とかていのよいことを押し付けられました。またそういう連中が復活を狙っているようです。
 やはり、人を大事にすることが忘れられてはなりません。

世界経済のグローバル化によって日本の社会はこわされたと思います。戦後日本経済が飛躍的な発展を遂げた産業経済の理念を壊したのは、小泉首相の時、新自由主義を取り入れた事だと思います。
経済効率だけを考えるとリストラ、を勧め派遣を増やすことになり、労働者の愛社精神は喪失します。会社は労働者を大切にすることによって、労働意欲を高め社員の愛社精神を得て業績を上げられると思います。自助努力という言葉は反面、個人主義を助長するとも思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 中日新聞によい記事を見つけました:

« 日本の静かな正月はいい―正月は静かなのがよい | トップページ | 釈迦の教えは宗教ではない »