ドラゴンズの必勝祈願と仏教の”神”
中日ドラゴンズの選手たちが犬山の成田山で必勝祈願をしたとテレビのニュースが伝えていた。
犬山の成田山は成田山別院大聖寺といい、真言宗智山派の成田山新勝寺を本山とする。本尊は、不動明王である。
不動明王は、お不動様と呼ばれて親しまれているが、もともとは不動明王という仏を先につくり、後で不動経というお経を創作してできたものだという。
仏の位でいえば、最高位が「如来」で、次が、「菩薩」で、第3位が「明王」、第4位が「天」である。
如来は「真如から来た者」という意味で、如来には、よく知られたものとして、釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来、大日如来などがある。このほかにもいろいろな如来がある。
菩薩は、如来になるために修行中の身で、よく知られた菩薩には、弥勒菩薩、観世音菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩などがある。菩薩には修行の段階として、「妙覚」以下52位階があるとされる。次に如来となるのは、弥勒菩薩で、56億7000万年の修行の後現れるといわれる。
如来になるのを否定した菩薩もあり、観世音菩薩、文殊菩薩、勢至菩薩などがそれで、菩薩のままで人びとを助ける活動をするという。
明王は、「仏の知恵を身につけた偉大な人」という。大日如来の命を受けてまだ仏に帰依していない人びとを帰依させる役目を持つとされる。日本で盛んに信仰うされている。不動明王、愛染明王、その他いろいろある。
”天”は、バラモン教の神々が密教に取り入れられて仏教の守護神となったものだそうだ。帝釈天、大黒天、持国天、増長天、韋駄天などいろいろある。
こうしてみると、仏教も随分たくさんの神の類を取り入れたことがわかる。
ドラゴンズは、昨年は確か熱田神宮に行ったと思うのだが、今年はなぜか成田山で必勝祈願をした。ということは、不動明王にすがったということである。不動明王に優勝を助けるご利益があるのかどうか不明である。要するに、どこかに祈願をしておけば安心だということなのだろう。
ここにも、日本人の信仰に対する曖昧さが垣間見られる。
ところで、毎年どの球団も必ず必勝祈願をするが、優勝するのは1リーグで1球団だけである。つまり、神の加護の確率は六分の一ということになる。日本一になるには、12分のⅠである。昨年の神様はドラゴンズよりロッテの神様の方がご利益があったということなのか?
だから中日ドラゴンズは今年は祈願の相手をかえたのかもしれない。成田山のお不動さんは、果たしてどんなご利益を与えてくれるのであろうか。
« 感動した葉書―戦地から妻を思いやった― | トップページ | ジャパンシンドローム »
「宗教」カテゴリの記事
- 岸田首相は宗教団体の高額献金問題をやれるのだろうか(2022.11.26)
- 統一教会の実態をもっと知らしめて (2022.07.15)
- 理解しがたいタリバン(2021.09.05)
- 神も仏も同じー日本人の鷹揚な受け止め方(2021.08.21)
- 「あの世」について(2020.07.13)
コメント