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2011年1月18日 (火)

感動した葉書―戦地から妻を思いやった―

 14日の「探偵ナイトスクープ」で、1枚の葉書を取り上げていました。葉書の持ち主は阪本征夫さんという62歳の人です。阪本さんのお父さんは、フィリピンのレイテ島で戦死をされました。そのとき阪本さんは母親の胎内にいましたが、そのことを父親は知っていたのだろうかということを知りたいということでした。

 手がかりは、1枚の葉書です。父親が戦地から母親宛に送った葉書なのですが、84歳で亡くなった母親が生きている間に何度も取り出して読んだので鉛筆で書かれた字が殆ど消えてしまい読めなくなっていたのです。それで阪本さんはその葉書を何とか読むことが出来ないかと思い探偵ナイトスクープに依頼をしたのでした。

 田村ケン探偵は、拡大コピーを試みたり、CGのプロに頼んだりしますが、肝腎のところを読むことはできませんでした。それで奈良にある国立文化財研究所に行って相談をしました。

 研究所では、鉛筆で書かれているのでひょっとして読めるようになるかもしれないと言いました。スタッフを集めて技術を駆使して試みてくれました。そして殆ど解読が出来ました。

 葉書には、インクとペンを持ってこなかったことを後悔した文がありましたが、インクでなかったことが幸いだったのです。

 葉書には、身重の妻を思う気持ちが溢れていました。お互いに元気で生きて戦地から帰れたら、また新婚のような生活をしようねと書いてあり、最後に3首の短歌が書いてありました。

  酔ふ心君に訴ったうことばかり ただに言えない我が胸の内

  頼むぞと親兄姉に求めしが 心ひかるる妊娠の妻

  駅頭で万歳叫ぶ君の声 胸に残らむ昨夜も今朝も

 最後の短歌3首と、「身重」の字が殆ど消えてしまっていたのでした。阪本さんは父親が妊娠を知っていたことを知り安堵しました。

 この葉書は、検閲をおそれて台湾で出されたもののようだということです。母親は女手1つで苦労をして子どもを育てたのですが、ときどき葉書を読み返しては夫への思いを募らせたのだろうと思われます。

 戦後65年、この1枚の葉書は、戦争によって引き裂かれた一般大衆の悲劇を如実に語っています。そして二度と戦争をおこしてはならないという気持ちを強くさせてくれます。

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