昨日のblogにデンマークからコメント―そして「弧族」について
昨日掲載した「サンデーモーニングー豊かなのに、なぜ幸せになれないのか」に遠いデンマークからコメントが寄せられた。デンマークに5年ほど在住の研究者のようであった。「デンマークの光と影」という本を出版しておられるそうだ。
「デンマークのうちがわ」というblogを持っておられる。そこにデンマークのホームレスや貧困問題などを詳しく書いてある。興味がある方は、下記のアドレスをクリックするか、私へのコメントの名前の部分をクリックするとよいだろう。
デンマークは、キリスト教徒の多い国のようで、クリスマスを過ごすのに困難のある家庭1万1000世帯に、国民教会救援組織などが寄付を集めて配ったという。昨年は4000世帯だったのが、経済不況で困難家庭が増加しているのだという。
デンマークでは、国民の1/3が何らかのアソシエーションに参加していて、その中でも救援活動があるようだ。(詳しくは上記のblogを)
日本でも、キリスト教関係の牧師などで救援活動をしている人はいるようだが、仏教関係では聞いたことがない。
ところで、朝日新聞の「弧族」によると、単身世帯率と未婚率が増加しているのが大きな問題であるという。2020年には、50代から60代の4人に1人が単身世帯となり、50歳男性の3人に1人が未婚者になるというのだ。
確かに私の身も回りでも単身者が多く、未婚の男性も多い。聞いてみると、殆どはその理由は、給料が安いからだという。高度成長期と違って今は仕事の不安定な人が多いだけでなく、給料も安いのが結婚をためらわせているのだ。
朝日新聞は、「会社という『擬似家族』に人生の大半をゆだねることができた世代は、まだいい。不安定な雇用に直面する若い世代は、人生前半で働く場から除外され、仕事と結婚の扉の前でたじろぐ。」と書いているがまさにそうだのだ。
サンデーモーニングでは、金子慶応大学教授が、勤労者の半数は低所得だと指摘していた。由々しい問題である。管首相は、法人税の5%減税を打ち出したが、来年の今頃になると、その効果はゼロであったと言われるに違いない。
就職氷河期よりひどいと言われる現在の就職問題の解決に当たっては、企業も利益ばかり追求せず、協力をすべきであろう。
「弧族」の増加は、当人だけでなく、社会全体の問題である。その点で朝日新聞の特集は時宜を得ていると思う。
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コメント
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サンデーモーニングでは、ホームレスが1万人と言っておりました。4000人でもかなりの数ですね。
年越し派遣村はないようですが、名古屋ではNPOや市が支援をしているようです。
関西では、同志社の女子学生が支援の仕組みを作ったと新聞に出ておりました。
トラックバックは、やったことがないので違うところに行ったのだと思います。失礼を致しました。
御著作は大きい書店に行けばあると思います。名古屋市の図書館にはまだ入っていません。
そうぞよいお年をお迎え下さい。
投稿: らら | 2010年12月30日 (木) 12時17分
拙ブログ及び著書をご紹介いただき、どうもありがとうございます。デンマーク暮らしも早くも8年になりました。経済的な支援を申請した世帯数が4000件だったのは、昨年ではなく10年前の話です。金融危機前・後で様々な数値が変わっていますが、実はデンマークのホームレスの数は、国内で統計を取った2007年(危機前)と2009年(危機後)で不変であり、5000人とされています。これも重要なポイントだともいます。
頂いたトラックバック申請について、本ブログを通じてメールさせていただいたのですが、届かなかった(遅配?の)ようですので、コメントで失礼します。参照されている関連記事と違うエントリにTBされているようでしたので、まだ承認をしていません。もう一度ご確認のうえ、TB申請いただけますか。すぐにでも承認させていただきます。
拙著にご関心があるようでしたら、半月後くらいになりますが1月に帰省の際にお送りしますので、ご住所をメールでお知らせください。よいお年を。
投稿: Denjapaner | 2010年12月30日 (木) 07時52分