河村市長の10%減税への疑問
河村氏は、名古屋市長に当選後まず自分の給料を800万円にして、退職金も貰わないと明言した。まだ前任の松原氏が退職金を貰う前であったので、どう反応するか興味があったが前市長はこそっと全額4000万円ほどをもらったようだ。
市長は4年毎に退職金をもらうので、2期勤めると大変な額になる。河村氏はそれを放棄すると言ったのだから、市民の心を一気に掴むことに成功した。
その後、自分の給料を減らしたのだから市議会議員の報酬も半額にせよと言った。こちらは今もなお反対が強く賛成は公明党のみであるが、共産党も半減もふくめて検討課題とすると言い出だした。
もう一つの河村市長の主張する減税10%は、市議会で否決され、継続審議も拒否された。河村市長は、自民党前議員の大村氏を愛知県知事候補に担ぎだし、来年2月の選挙では知事・市長同時を狙っている。
そのためのリコールは、選挙管理委員会の審査によって阻まれてしまいそうだ。それに対して、もしそうなれば、市長を辞任して同時選挙に持ち込むと言っている。
そのときの目玉が市民税10%減税で、大村氏も同調して同じく県民税10%減税を唱えている。河村市長は10%減税によって、市民が大きな恩恵をこうむり、名古屋に人や企業が集まり活性化すると言っているようだが、果たしてそうなのか疑問である。
友人が送ってくれた赤旗の切り抜き「どうなっている名古屋市政」によると、名古屋市民225万人の52%は扶養家族や非課税のため減税の対象から外れているという。それに対して最高納税者は、10350万円の減税になるのだそうだ。私などは数千円の納税だから、数百円の恩恵しかないということになる。つまり、高額納税者ほどメリットがあるということだ。
法人市民税も、最高は2億4200万円の減税なのに、市内の企業の6割を占める赤字企業は一律5000円の減税しか受けられないという。
問題はそれだけではすまない。先だって国民保険料の値上げについて通知を受けたが気にもしないでそのままにしておいた。ところが、この記事によると、不況と減税で生じた税不足を穴埋めするために、名古屋市は国民保険料の所得割を大幅に引き上げたのだそうだ。ハハーン、そういうことだったのかと今頃になって納得した。
次の表は、記事から一部転載
減税額と国保料の値上げ額の比較(単身40歳未満)
給与所得 10%減税額 国民保険料引き上げ額 負担増
200万円 5000円 19470円 14470円
300万円 8900円 35520円 26620円
400万円 13100円 52350円 39250円
600万円 22000円 89100円 67100円
683万円 25800円 59360円 33560円
798万円 31600円 0円 0円
国民保険料の他に介護保険料も引き上げられたと思うからダブルパンチである。
また、減税によって、教育予算の削減や東市民病院のベッド数の半減が行われたし、城西病院など全ての市立病院の廃止が予定されているという。
10%減税は聞こえはよいが、中身をよくよく調べてみないと国民保険料のようにどこかで増やされていたり、金持ち、大企業様向けになっているのかもしれない。
河村市長のいう、市議会議員の歳費や報酬の見直しには大賛成だが、市議会定数の半減などは賛成しかねる。保育園の民営化や市立病院の民間移管にも賛成できない。市長のパフォーマンスに惑わされないで、提案を個別に検討することが大事である。
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