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2010年10月 2日 (土)

99歳新藤兼人監督の最後の作品―1枚のハガキ―

 先日、NHK教育テレビ”ETV"で、「98歳、新藤兼人の遺言」と題する番組を放送した。

 数々の名作や問題作の映画を作って来た新藤監督が98歳になって最後の映画をつくる決心をした。映画の題名は、「1枚のハガキ」である。その映画の製作過程を追ったもので、映画の撮影場面がたくさん出てくるので、どのようにして映画が作られるのかを知らない私には大変興味深いものであった。

 1枚のハガキは、丙種合格で徴兵された新藤監督が実際に見せられたものである。その文面は、簡単なものであった。

  「今日はお祭りですが、あなたがいらっしゃらないのでなんの風情もありません。 友子」

 たった一文の短いものであるが、心情の溢れた手紙である。このハガキ見せた兵士はハガキを持ったまま南方に送られる船が撃沈され戦死する。

 新藤監督と一緒に徴兵された新兵100人は「定員分隊」と呼ばれ、奈良県天理市の天理教会の建物の一つに配属される。そこには海軍予科練の若者たちが来るのでその準備の清掃や日常の世話をするためである。

 その後、100人の隊員から上官の籤引きで60人が選ばれ南方に送られた。目的地はフィリピンであったがその途中で輸送船が撃沈され全員死んでしまう。

 残った40人からまた上官の籤引きで30名が呉の潜水艦隊に派遣され、その後全員爆死する。

 運よく生き残ったのは、新藤監督ら僅か6名であった。そのうち現在も生きているのは2名である。

 新藤監督は、自分はなぜ生き残ったのかを考え続ける。そして映画を制作し戦争を告発する。それが生きた自分の使命だと考えている。

 私は神を信じないが、何か見えない大きな存在が新藤監督に使命を与えたような感じをもつ。

 その戦友が見せてくれた1枚のハガキに込められた思いをバックに、戦争は兵士だけでなく残された家庭を破壊するするというテーマで最後の映画を制作した。それは新藤兼人監督の遺言でもある。

 映画の中では、1枚のハガキは、新藤(映画では定吉)に託されたというフィクションで、それをハガキを書いた友子に届けるというストーリーである。その中で残された友子を巡る残酷な悲劇が描かれる。

 しかし、最後は未来への希望を示唆したエンディングになっている。

映画は、新藤監督の健康をおもんばかりながら暑い6月にクランクインし、45日かけて作られ無事にクランクアウトした。

 主演の友子は大竹しのぶで、公開されるのは2011年の夏だという。公開が待ちどおしい。

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