菅首相の「ああ、カン違い」オウンゴールで、民主党大敗!!
7月11日に行われた参議院議員選挙で、政権党と民主党がよもやの大敗をした。NHKテレビで7時50分まで「竜馬がゆく」を見て、その後8時からのテレビ各局の開票速報を見るのを楽しみにしていた。
いざ、始まってみると、どのTV局も民主党の大敗を予測し、自民党の復調とみんなの党の躍進を予測していた。
朝のサンデーモーニングで、コメンテーターの毎日新聞社、岸井氏が、「午後八時の開票速報開始の時点で、50%は当確が出ますよ。」と言っていたがそのとおりであった。それにしてもマスコミ各社の調査能力と予測力は素晴らしく進歩したものだと思った。投票日の数日前に報じた予測がその通りになったのだった。
得票予想数字の%は出口調査の結果で確定ではない。しばらく見ていて、それ以上見るのが馬鹿らしくなったので、サッカーの決勝を見るために早めに寝ることにした。
翌朝、2時半頃に目が覚めた。まだ少し早いと思ったが、選挙の結果が気になったので起き出してテレビをつけた。結果は、自民党51議席、民主党44議席、みんなの党10議席、公明党9議席、共産党3議席、社民党1議席などであった。
民主党の大敗と自民党の復調が顕著であった。折角自民党を打ち負かして民主党政権が誕生し、まだ1年にもならないのに民主党は過半数どころか自民党より7議席も少なく、過半数までには22議席も足りないのだ。
民主党の敗因は、第一は、鳩山首相と小沢幹事長が退陣し、菅首相に代わって60%近くあった内閣支持率を、菅首相の消費税増税発言で40%台まで急落させたことだ。謂わば菅首相のカン違いによるオウンゴールだと言える。菅首相のまじめさは認めるが、消費税は鬼門である。前にも指摘したように、消費税では自民党も大敗を経験していたのだ。
谷垣総裁率いる自民党が消費税率10%を唱えたので、それに乗っかれば・・・・と安心したのであろう。本来なら自民党の消費税率を攻撃して大きな支持を得ることができたはずだと思うのだ。虎の尾を踏むとはこのことか。
今回の選挙結果を見ると、一人区の都市部以外の県で自民党が大勝している。農村部では相変わらず自民党への支持が根強いことが示された。
敗因の第2は、鳩山・小沢氏の旧態然とした金の疑惑であり、鳩山内閣の普天間基地問題に対するもたつきである。国民はクリーンな政権を期待したのにそれが外れ、基地問題ではアメリカべったりで何もできないという無様な姿を露呈した。
今回の選挙で、沖縄では自民党の新人女性が当選したが、基地問題はもともとは自民党・公明党政権がつくりだしたものであり、辺野古への移設も既定のものであった。だから沖縄県民の多数が自民党を選択したのは理解できない。自民党でもアメリカべったりで解決はできないのは明白なのだ。
敗因の第3は、民主党内のゴタゴタである。マスコミによると、9月の民主党代表選挙へ向けて、小沢氏側の策動が始まっていると言われていることだ。菅首相の命もそれまでかもしれないというのだ。民主党は内部の権力争いなどをしている場合ではないと思うのだが、国民はそれを見ている。またゴタゴタして政治がそっちのけになるのでは・・・・とうんざりなのだ。
みんなの党が10議席で躍進したが、民主党に飽きた人がそちらになびいたのであろう。どの道もともと自民党なのだ。期待はできない。
今回の選挙では、自民党から細胞分裂をして多くの党ができたが、所詮は自民党の補完勢力でしかないし、いつまた自民党に戻るかも知れない。これは保守の智慧である。
残念なのは、社民党や共産党などのかつての革新勢力が議席を減らしたことである。消費税問題、基地問題でも核心をついた提言をしているのに、見向きもしてもらえなかった。1700万人を超える非正規社員や1000万人を超える年収200万人以下の層は投票に行かなかったのであろうか。細胞分裂を繰り返す保守だけでは日本の未来はよくならないと思うのだが。
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