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2010年6月28日 (月)

無差別殺人―「誰でもよかった」について

 27日の「サンデー・モーニング」の「風を読む」で「誰でもよかった」と題して無差別殺人のことを取り上げていた。残念ながら途中から見たので分からない部分もある。無差別殺人は銃社会のアメリカが始まりで、日本もだんだんとそうなってきたのだと思っていたが、今や、世界的に起きているのだと知った。社会福祉では良いほうのフィンランドでも起きているのだという。

 それについて、片田さんという女性の精神科医は、「グローバル化の中で、自己責任ということが言われ、他を排除しようという傾向が強くなった。」というようなコメントをしていた。

 グローバル化というのは、おそらく経済のグローバル化のことだと思うのだが、日本でも小泉・竹中路線によって自己責任が強調され、稼げるものはどんどん稼ぐ、ドロップアウトする者は自己責任だということで、放置されてきた。その中で、フリーターや契約労働者やアルバイターなどが増え、経済の悪化とともにどんどんと解雇されたり、収入の減少を余儀なくされた。そして1750万人にも上る非正規社員、年収200万円以下の低所得層が1000万人を超え、生活保護世帯が140万世帯と増加の一途である。ホームレスも増加を続けている。

 そうした中で、生活保護を受ける人を狙った貧困ビジネスが広がり、27日の新聞でも大阪の不動産業者が診療所と結託して、生活保護の医療費を食い物にしていたことを報じている。

 貧しい人たちは、更に貧しく、一方で、株主総会のこの時期、連日のように報じられているのが、1億円を越す高額な報酬を得ている大企業役員が続々と出ていることだ。

 儲ける才覚と能力と運がある人はどれだけでも儲けてよいというのが、グローバルスタンダードとなり、リーマンショック前には、アメリカで年収63億円も得た人まで現れた。そうした傾向に、さすがのアメリカも行きすぎだと感じたのか、オバマ大統領は規制をかける法律を作った。

 しかし、アメリカでは医療保険のない低所得者層は4300万にと増え、貧富の格差は放置されたままである。

 何度も指摘したように、社会主義国の中国でさえ、貧富の格差が広がるばかりである。

 ヨーロッパでも、フランス、ギリシャ、その他EU加盟国で失業者が増大している。サッカーのワールドカップ開催国のBRISCの一員の南アフリカでも、失業者は23#を超えた。

 そうした流れの中で、ごく一部の勝者と大多数の敗者に分かれてしまった。それがグローバリズムであり、儲けさえすればよいという金融資本主義の姿なのだ。

 明日ではなく、今を生きる希望をなくした人たちが、思いつめた末に「誰でもよい」と無差別殺人に走るのは当然の成り行きであると思う。

 日本では、今、参議院選挙運動中だが、各政党はいろいろな公約やマニフェストを掲げている。私は、それが本当に国民のためなのか、本当に実現できるのか、具体的な数字を示して欲しいと思う。それをもとに判断をして適切な人や政党をえらなけらばならないと思う。

 棄権は自らを危険にさらすだけでなく、他の人をも危険にする。投票には必ず行ってほしい。

 

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