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2010年6月17日 (木)

中国でストライキが続発しいているというが

 16日のNHKTVニュースでは、中国でストライキが頻繁に起きていると報じていた。また、同じ日の朝日新聞は、「中国スト続発ー低賃金に世界は頼れない」と題した社説を載せた。

 中国では、鄧小平の改革開放以後、毎年GDP10%前後の高い経済成長により経済が発展し、今や日本を追い抜いて米国に次いで第2位の経済大国になろうとしている。その過程でうまく流れに乗った人たちは巨万の富を築き、膨大な数の富裕層が出現した。都市部では、超高層のビルやアパートが次々に建てられ私たちを驚かせている。

 私たちは、そちらに眼を奪われて、中国の凄い発展振りに驚嘆するばかりだが、その発展を支えてきたのは、農村から都市に働きに来た何億もの労働者である。彼らは、劣悪な労働条件の下で、働くことを余儀なくされてきた。低賃金・長時間労働だけでなく、住居も狭く不潔なところが多く、一部屋に10人ぐらい詰め込まれたり、厚生施設や医療設備のないとところが多いという。

その上、農村から来た者には都市に居住する権利が認められていないので一時的な居住となるのだ。

 多くの労働者は、リーマンショック後職を失って農村に帰ったようだが、その後経済が回復に向かうに連れて工場などの労働者として求められるようになった。

 それでも沿海部で働く労働者の月収は2万円前後で、残業をしなければ家への仕送りもままならないという。

 鄧小平は、「白猫でも黒猫でもネズミを捕る猫はよい猫だ」と言い、先に儲けた者からその恩恵を取ればいいとも言った。それで才覚のある者やずる賢い連中が儲けに走った。それはそれで中国経済の発展に寄与したのだが、大多数の労働者は置いてきぼりにされたままなのだ。

 ここに来て、ストライキが続発しているというのも当然のことである。風船でも押さえるだけ押さえれば反発する力が強くなる。搾取に喘いだ労働者が耐えかねて反発するのは理のあることである。

 中国は共産党の一党独裁の国である。その共産党は名前からして分かるように労働者・農民を基盤とする党であった筈だ。「万国の労働者よ、団結せよ」と呼びかけたマルクスに依拠しているのではなかったか。

 マルクスは、資本家は労働者を搾れるだけ搾り取ると言った。まさにマルクスが言ったとおりのことがこともあろうに共産党が支配する中国で起きているのだ。資本家層は労働者を搾取して自分たちだけが冨を独り占めにし、労働者のことなど関知しない。社会主義を標榜するならそんなことがあってよいはずがない。

 その中国の憲法では、ストライキが禁じられているのは知らなかった。労働者の当然の権利として、重要な労働権としてのストライキが認められていないというのは何という矛盾であろうか。

 労働者たちは、それでも待遇改善のために敢然と立ち上がりストを敢行している。さすがの中国政府もそれに介入はしていなようだ。ということは、労働者のおかれている状況が如何に酷いかを認めているからであろう。

 虐げられた者に唯一できることは、昔なら一揆であり、現代はストライキである。中国の労働者・農民は毛沢東やマルクスの教えを学び直してみる必要があろう。

 

 

 

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