内閣官房機密費についての野中元官房長官の発言は重大
5月1日の朝日新聞朝刊4面に次のような囲み記事が載った。
「小渕内閣で1998年から99年にかけて官房長官を務めた野中広務氏が30日、当時の官房機密費について、『毎月5千万円から7千万円ぐらいは使っていた。』と暴露した。首相の部屋に月1千万円、野党工作などのため、自民党国会対策委員長に月500万円、参院幹事長にも月500万円程度を渡していたほか、評論家や当時の野党議員にも配っていたという。都内で記者団に明らかにした。」
機密費については、以前から明らかにするように言われていたが、自民党はそのようなものはないと否定していた。それにも関わらず、首相の部屋には常に5000万円の現金が置かれ、不足するとすぐに補充されたということを書いた週刊誌があった。民主党政権になって、その点が明らかにされるかと期待したがうやむやになっている。
この度、図らずも元官房長官として当事者であった野中氏によってその存在が暴露された訳で、週刊誌が報じていたことは正しかったのだ。
野中氏は、いまになって暴露する理由を「私も、もう年(84歳)。いつあの世に行くかわからんから。やっぱり国民の税金だから、改めて議論して欲しいと思った。」と言ったそうである。
国民の税金を機密費という名目で何に使っても自由な金を用意していたのだ。勤めていた頃、校長や課長などにも機密費があると聞いたことがある。役所にもそれぞれ機密費があったのだ。(今もあるのかもしれないが)
それにしても官房機密費の額は大きい。湯水のように使えたようだ。その行き先が、野党対策としても使われたというから、民主党、公明党、社会党なども当然そのおこぼれに預かっていたわけである。まさか共産党はそんなことはあるまいとおもうのだが。金を貰っては国会でも追及の矛先も鈍るのは当然である。だから馴れ合いの国会運営がなされていたのだ。
「与野党を問わず、何かにつけて機密費を無心されたことがあった。」という。その無心振りが図々しい。「家を新築したから3千万円祝いをくれ。」と小渕首相に電話をしてきた人もいる。」と語っている。30万円でもどうかと思うのだが、3千万円と言えば庶民の家なら1軒建つ金額である。
官房長官の引継ぎリストに、誰々に幾らと書いてあって、政治家だけでなく、評論家にも贈っていたと言っている。「持って行って断られたのは田原総一郎さんだけだった。」ということだから、政治評論家もテレビや新聞ではかっこいいことを言っていても、意地は汚く、自民党のお先棒を担いでいたことが暴露された。
野中氏は機密費はなくしたほうがよいと言ったそうだが、それは当然である。この悪習慣は明治維新からずっと続いてきたことに違いない。昔はもっと堂々ともっと酷い使われ方をしていたと推定される。
それにしても税金という公費をもって私的な儀礼や対策に使われているとは言語道断である。民主党政権はまず隗より始めよで、事業仕分けとともに機密費問題も内容を明らかにしてきっぱりとやめるべきである。
もうひとつ、マスコミに言いたいのは、こんな重大なことを何故もっと大々的に取り上げて究明しないのかということである。マスコミ対策にも税金が使われているので矛先が鈍るのであろう。
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朝早くから見られたのですね。私もその番組を見たかったです。野中氏もやっと本音を言うようになってくれて嬉しいですね。
投稿: らら | 2010年5月 5日 (水) 09時03分
今朝6時半頃に民放の時事放談を見ておりましたら丁度野中元幹事長が出演してみえました。久しぶりに野中幹事長の言葉を聞いておりまして小泉元総理とあの防衛庁の守屋という人との密着振りを言ってました。沢山の機密費という名目の国民の税金は小泉元首相やあの守屋氏によって夫婦揃ってのゴルフや飲食に使われていたのですね。びっくりしました!税金は国民が汗水働いての尊いお金ですから国民の納得するように使って貰いたいものですね。
投稿: 長谷部文子 | 2010年5月 2日 (日) 11時04分