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2010年4月30日 (金)

株価急落と格付けへの疑問

 4月28日の東京証券市場の株価は急落して一時は前日より330円も下げた。原因は、アメリカの格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、27日にギリシャとポルトガルの国債の格付けを下げたことであった。ギリシャ国債の格付けはジャンク債とよばれるランクに落とされた。

 そのために「財政危機がギリシャにとどまらず、ヨーロッパ諸国に広がる」という不安が市場に広がった。それで、欧米の株式市場では株価が急落した。英仏で35、ダウは25の213$の下げであった。

 それを受けて日本も一日中株価が低迷し、前日より結局299円の下げで引けた。

 ここで不思議なのは、S&Pというアメリカの1格付け会社の格付けによって世界中の株式市場の株価が大きく変動することである。

 前日まではギリシャ問題について懸念されていたがEUとIMF、とりわけドイツが支援に乗り出すということで、安心感が出て株価は動かなかった。それなのに1格付け会社の格付け変更だけで、世界中が動揺するとはどういうことなのか。28日には、S&Pはスペインの国債の格付けも一段階下げた。

 格付け会社の格付けが国や世界の経済を動かすということは、格付け会社の思惑で国や世界の経済が操作されるということである。この会社はアメリカの会社であり、アメリカの国債の評価については甘い評価をしていると言われる。一方、日本の国債の格付けを引き下げることを示唆している。

 もし、ある日、日本の格付けが2段階下げられたら、株式市場だけでなく日本全体がパニックとなり、ちまたで広がっているハイパーインフレへ驀進するかもしれない。

 思い出すのは、あの世界金融恐慌を引き起こしたサブプライムが、格付け会社によってトリプルAの格付けを得ていたことである。それを信じて世界の名だたる金融機関がサブプライムの債権を買った。それがある日突然破綻して世界中に恐怖を与え、リーマンブラザーズなどの倒産を招いた。それだけでなく、今もなおその後遺症で日本だけでなく世界の多くの国が苦しんであるのである。

 格付け会社の格付けに頼ることはやめなけらばいけない。それなのにまだ懲りずに格付け会社をのさばらせている。

 G20では、この問題を議題として取り上げて、禁止をすべきである。そうでないとこれからも格付け会社つまり背後にあるアメリカの思惑通りに動かされることになる。

 金融のプロたちは、そんな会社の格付けに頼らずに自分の判断で市場に対処すべきである。

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