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2010年2月17日 (水)

「粗食で生き返る」を読んで

 図書館で見つけた「粗食で生き返る」(幕内秀夫著 角川新書)を読んだ。幕内氏は管理栄養士で帯津病院などで食事指導をしている。昨日の新聞には、帯津医師との共著で「粗食のすすめ」という本の広告を見た。

 要するに、「和食がいい」と勧めている。その土地にある食材を食べなさいとも言っていて、「FOODは風土」と洒落てキャッチフレーズ化している。

 みのもんたの番組で取り上げているような「○○がよい」というようなものを信じて頼ってはいけないとも言っている。みのもんたの番組で放送されるとたちまち関連食品が売り切れるという現象が起きた。テレビの凄さを思うのだが、それも一過性でしばらくすると忘れられて、品切れの食品もまた店頭に並ぶ。

 この本では、「カタカナ食品からひらがな食品へ」転換せよと勧めている。例えば、パン→ごはん、ラーメン→そば、スパゲティ→うどん、サンドイッチ→おにぎり、ピラフ→焼き飯、スープ→味噌汁、ハンバーグ→がんもどき、ハム→ちくわ、ソース→醤油、ドレッシング→三杯酢、ピクルス→漬物、サラダ→おひたし、酢の物、ジュース→麦茶、コーヒー→緑茶、ウイスキー→日本酒・・・・といった具合である。

 米は玄米、肉より魚、牛乳は飲まなくてもよいという。

 戦後日本はアメリカに占領され、その間にアメリカの占領政策によって、牛乳を飲み、パンを食べる洋風の食事を推奨された。私が、子供のころはそういう食事に憧れたものであった。

 戦後間もなく物資が乏しい頃、名古屋の伯父の家に行ったことがあるが、朝食にバターを塗ったトーストを出された。私には初めての経験であったが、強烈なカルチャーショックを覚えたことを今でも忘れられない。ヨーグルトもそのとき初めて食べた。

 学校給食では、あの臭いミルクとコッペパンが出されるようになった。進駐軍の援助だということであった。以後、学校給食はパンとミルク(後に牛乳)が定番となった。

 こうして、日本の子供の舌は完全にアメリカナイズされて行った。

 その背景には、アメリカの農産物を日本に売るための深慮遠謀があったと言われている。(その辺の事情については、昨年NHKスペシャルで取り上げていた。)酪農を奨励し、飼料のトウモロコシを日本に売りつけること、パンを食べさせて小麦を売りつけることであったのだ。自民党政府はそれを推進して日本人の食生活を変えてしまった。

 その結果、日本人は肉とケチャップとソースと生野菜の西洋風食事により、カロリー摂取オーバーとなり、ついにメタボリックになってしまったのだ。糖尿病予備軍だけでたしか1600万人以上、メタボは2700万人以上といわれる。

 この本に紹介されている、「マクドナルドのハンバーガーだけを食べ続けたらどうなるか」という実験が面白い。「ス-パーサイズ・ミー」という映画で、33歳のモーガン・スパーロックという監督が自らを実験台にして製作をしたのだという。

 半月ぐらいすると、イライラして集中力がなくなり、無性にマクドナルドに行きたくなったという。30日近くには体重が14KGも増え、肝臓が肥大し脂肪肝となり、コレステロール値が225になったそうである。

 このことは偏った食事が大変危険であることを証明しているが、著者は厚生労働省が推奨する一日30品目、栄養バランスの取れた食事にも疑問を投げかけている。

 栄養バランスというのは、食品の中の蛋白質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル等の栄養素に目をつけてそれを基準に考えている。栄養素は食品に含まれている成分を科学的に分析したもので、個々の働きは研究できても、体内でどのように作用しているかがはっきり分かっている訳ではないと指摘している。

 興味深いもう一つの指摘は、日本人と外国人との体の作られかたの違いである。歴史的に見て、日本人は農耕民族として米、山菜、野菜、海産物などの食事をしてきた。ところが西洋人は、牧畜民族として、肉食をし、動物の乳を飲み、小麦などを主食としてきた。だから、日本人の中に牛乳不耐性が多くいるのだ。米、魚、野菜などが体にあっているのだと言える。

 「酒乱になる人、ならない人」によると、日本人や中国人や朝鮮人には酒が飲めない遺伝子を持った人が多くいるそうだ。西洋人には0だという。こうしたことから、私の推測では、それ以外の食品に対する違いもDNAに起因しているかも知れないと思うのだ。

 著者は、牛乳は飲まなくてもよいといい、玄米中心の味噌汁、漬物、安い魚(理由は国産だし、養殖ではないから)、野菜、根菜、海産物、きのこなどの昔からの和食を勧めている。 

 我が家は、勤めている頃は、朝もご飯と味噌汁であったが、退職後は、パンとコーヒーが簡単だということもあって、妻がそうしてしまった。私は玄米がよいのだが、炊くのに時間がかかるからと嫌がっている。残念なことである。

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コメント

素敵なお財布ありがとうございました。スタッフの対応も素晴らしく、何と言っても梱包の丁寧さには驚かされました。
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玄米、小魚、野菜、味噌汁など、かつての日本の伝統的食事で元気になられたという実例ですね。50回噛むというのもいろんな人が勧めていますが、病気にでもならないとなかなか実践できません。とてもよいお話を有難うございました。

知人にB型肝炎の人がいました。このままゆけば数年の命なので特殊な食生活をしていて、五穀を入れた玄米食で小魚を姿のまま軟らかく煮て、野菜のお浸し、薄い味噌汁を食べていました。都心に出て食事をしようと言うと、玄米食のレストランでした。
「玄米は1口に50回かんでねと言いますが、至難のわざです。顎がおかしくなるし、彼女は本当に50回噛むので時間がかかります。それ以来其のレストランには行っていませんし、彼女も引っ越して疎遠になっていましたが、お正月、久し振りに彼女が来ました。とても元気そうです。
20年前の「肝硬変から肝癌になってゆくんですってとしょんぼりしていた彼女とは思えないピチピチしていました。「今も玄米?」「そうです、万年変わらず、同じ献立です」驚きました。私は1日でギブアップです。
医食同源を胆に銘じた出会いでした。

日本からみると、かなり粗食のようですが、タイの風土に合っているのかもしれませんね。野菜が少ないのが気になりますが、果物は豊富じゃありませんか?
 米もタイ米は有名ですよね。
 前にも書きましたが、アメリカの農政食糧関係の役所の調査では、江戸時代中期の和食を勧めています。

きのう何を食べたのか思い出してみた。
朝はコーヒー一杯。
昼はキムチを作ったのでキムチと、朝、子どものおかずに作った漬物入りの炒り卵の残りとご飯少々。
晩はパットミーといって、炒めた麺に生のニラとモヤシと豚肉のから揚げを3片ほどのせたもの。隅っこにトンガラシと砂糖を添え紙に包んでくれる。握りこぶしくらいの量で20円。市場で買ってきたもの。
きのうが特別ではなく、だいたい毎日同じような質や量である。
粗食には違いないが、栄養は偏っているのではないかと思う。豚肉が多く、野菜が少ないのが少々不満。
一定期間、どんなものを食べているのか、記録してみるといいかもしれない。
データーが出来たら分析してください。

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