トレーニングによる老化抑制効果―歩くことは大切―
前にも取り上げた、「老いない技術」(林泰史著)は、さまざまな角度からのデータを駆使して健康で長生きする方法を教えてくれる。
P.89からは、「トレーニングによる老化抑止効果」について書いてある。元気で長生きするためには、足を丈夫にすることや筋力をつけることが大事で、そのためには、ウオーキングをしたり、トレーニングをしたりすることがいろいろなところで勧められている。
この本によると、トレーニングの効果としては、筋肉の衰え、関節の固まり、骨の萎縮、皮膚の菲薄化などを防ぐといった”廃用症候群”の予防に役立つという。廃用症候群というコトバがあることを初めて知ったが、これは歳をとることで進行する傾向があるという。高齢者特有の症状である老年症候群を増強するので、予防し、治療することが老化の抑制につながるという。
特に、よく歩いて足に刺激を与えることは脳の血液の流れを多くして、記憶力の低下を防ぐことになるのだそうだ。
実際に足の裏の刺激と脳の働きの関係についての研究もあるそうで、足底の刺激は大脳の奥にある前脳基底部から出ている血管拡張神経を活発化することがわかったそうだ。刺激が前脳基底部を介して大脳皮質や海馬の血流を増やすことになるのだという。
大脳のうちでも前頭葉は、感情・思考・創造・意思にかかわり、海馬は記憶や判断・知識の保存をする大切な働きがあるのだ。これらの部分は血液不足に弱く、ネズミを使った実験で、神経細胞が死んでしまうことがわかっているのだという。
だから前頭葉や海馬の神経細胞の死を防ぐために、体の運動や足底の刺激などが大事なのだという。そのためにもウオーキングはよいのだといえる。
トレーニングは、その他にも、呼吸器や心臓の働きを増強したり、気管支炎や起立性低血圧の予防にもなり、静脈流をよくするので血栓をふせぐことにもなるという。
最大歩行速度別の死亡率などということも研究されていて、歩行速度が、遅い、やや遅い、やや速い、速いと4段階に分けて調べた結果、遅い人の死亡率が15%と非常に高く、速い人のは3%と低いそうである。速く歩けることは老化を遅らせることになるのだ。
アメリカには、歩く時間や速さと骨折の関係を調べた研究もあり、歩く時間が多い人は少ない人より骨折が60%少なく、速く歩く人は骨折の割合が遅く歩く人の40%に減っていることがわかったという。
たかが歩行、されど歩行。歩行のよい点はまだまだある。
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