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2010年2月12日 (金)

長寿は努力次第―「百寿力」から―

 題名に惹かれて図書館から「百寿力」(東京新聞出版局)という本を借りて来て読んだ。著者は、長寿の研究をしているという白澤卓二順天堂大学加齢制御医学講座教授である。文字が大きくて大変読みやすい本である。あっという間に読めた。

 著者は100歳以上の高齢者に接して研究をしたそうだ。そして、得た結論は、長寿の人たちに共通していることは、洋の東西を問わず、

① 食事に気をつけている。(カロリーをおさえている)

② 運動をしている。

③ 好奇心旺盛で楽天的で前向きに挑戦している。

 ということであった。

 マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授は、2003年に、新しい長寿遺伝子Sir2(サーツー)を発見したそうだ。それによって老化防止研究は飛躍的に進歩したのだという。

 この遺伝子は誰にでもあり、「オーケストラの指揮者のように、私たちの体の老化をコントロール。細胞を修復する蛋白質の活性化。生命維持に必要なエネルギー量の調節などをしている。」(P.86)

 この遺伝子をスイッチ・オンにするには、カロリー制限と運動が大事だというのだ。長寿者はみなよく噛んで、食べ過ぎずに、バランスのよい食事を心がけているそうだが理に適っているわけだ。

 カロリー制限によって、NAD(ニコンチンアミドアデニシンジヌクレオチド)という代謝の仲立ちをする補酵素が沢山出て、それがSIR2遺伝子を活性化することがわかったのだそうだ。

 また、歩行などの運動でSir2が活性化し、老化を防ぐといわれる。最近の研究では、運動により、AMPK(アデノシン1リン酸活性化プロティンキナーゼ)という長寿遺伝子が活性化することがわかっているそうだ。一日に6000歩でも骨粗しょう症や動脈硬化の予防になるという。1万歩歩けばメタボにはならないそうだ。

 好奇心を旺盛にして、何にでもチャレンジすることにより、脳が活性化され脳が老化することはないという。

 85歳からフェンシングを始めた人や95歳から中国語を勉強した人、100歳でもオペラの歌唱を続けた人、などが紹介されている。あの三浦敬三さんは100歳を超えてもスキーで挑戦をした。

 何でもよいから趣味を持ちそれに挑戦することがよいといっている。

 私が、今度買い換えた携帯電話機には「歩数計」がついており、消費カロリーの計算もしてくれる。私は、毎朝血圧、体重、内臓脂肪を測って記録をしている。それで今のところ体重も血圧も内臓脂肪もよい値である。

 この本を読んで、食事についてハッと気付かされたことがあった。それは食事のときは、ご飯やパンから食べるのではなく、野菜から食べなさいということである。そうすることで血糖値の急激な上昇が防げるというのだ。

 その他大事なこととして、出来るだけ外に出かけ、人と交わったり、日光を浴びたりすることを勧めている。日光を浴びることはビタミンDを作るのに大事である。また安眠にもつながるのだ。

 百寿力 長寿遺伝子のミラクル

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