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2010年1月22日 (金)

檀家制度の上で堕落していた日本の仏教僧

 「欧米人が見た開国期日本」によると、江戸時代に日本に来た欧米人が見た日本仏教は堕落したものと映っていたようだ。

 「教義はともかく、日本の仏僧が、売春、畜妾、堕胎といった行為に目をつぶっていることをアンベールが非難している。ポンペ(オランダ、1857年)も、僧侶が娼家の法要などに出入りしながら、売春の悪徳を少しもたしなめようとしない不思議さに首をかしげている。それどころか、仏僧自身が悪行を犯しているとする指摘も少なくないのである。例えば、ペリーに随行したハイネは僧侶はどの地方でも、暴飲暴食その他の悪行を重ね、いわば仏僧の特権であるかのように考え、男色にさえふけっていると眉をひそめている。

 僧侶は、幕府当局によって優遇されていたため、それをよいことに、悪行に走るものが珍しくなかったのである。

 ゴロウニン(ロシア、1811年から2年3ヶ月函館と松前で虜囚)が、付き添いの日本人から聞いた話を書いている。それによると、

 『貞助(通訳)や、その他我々に付き添っている者の多くが、僧侶について散々の悪評を述べた。大部分が不品行で、法律で禁じられている肉食も、魚食も、更に飲酒や妻帯などを犯して放埓な生活を送っている。それのみか、機会があれば人妻や娘を誘惑して身を持ちずさせたり、その他いろいろ淫らで粗暴な振る舞いをしているというのである。』

 それかあらぬか、日本では僧侶が尊敬されないばかりか軽蔑されている、という欧米人の報告がけっこう多い。例えば、オイレンブルグ(プロシア、1860年)の紀行には、下層の人びとは僧侶に盲目的尊敬を抱いているが、教養ある日本人は、本当は仏教と僧侶を軽蔑していると述べている。」(以上、P.204~P.206)

 江戸時代に日本に来た欧米人からあからさまに仏教や僧侶の堕落振りを観察され、報告されていたというのは、よほど酷かったからに違いない。檀家制度の上に胡坐をかいて、やりたい放題であったのだと思われる。それが今日まで続いているのだ。

 

素材ナンバー 331175 : 「笛を吹く僧」

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なるほどそうですか。

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