2024年2月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 市民の第九コンサート2009 | トップページ | 食事に関心が薄い若者が増えているとか »

2009年11月 2日 (月)

心はどこにあるのか―松沢大樹説―

 人間の心はどこにあるのかは、まだ分かっていないといわれている。キリスト教では胸に十字を当てて祈るし、西洋では心臓の形をハート型としているのも、心臓に心があると考えていたからだろうと思われる。しかし、それは間違いで、脳にあるということだけは誰しも認めるところである。

 以下は、「心の病は脳の傷」(P.107~P.111)の引用である。

 「脳といっても広い。そのどこに『こころ』があるのでしょうか。

 前述したように、松沢先生たちは、X線CT(X線コンピューター断層撮影)、MRIのほか、PETを使ってこころのありかを追究し、その結論を出しました。

 『こころ』が生まれる場所は、やはり脳幹(いのちの脳)と大脳皮質(知能や行動の脳)の間でした。感覚系を司る大脳辺縁系と、運動系の大脳基底核から構成されています。これまで述べてきた主要な三つの器官のうち、海馬と扁桃体は大脳辺縁系、側座核と扁桃体が大脳基底核に属します。扁桃体は両方にまたがる要所です。

 つまり、『こころ』を生む脳の中枢は、海馬(知)、扁桃体(情)、側座核(意)といえます。その中でも主役は扁桃体です。扁桃体がハート型にも見えるというのは、神の配慮のあらわれではないでしょうか。

 扁桃体は海馬と側座核をコントロールするとともに、視床下部、脳幹を通じて体をコントロールしています。扁桃体からの『こころ』の情報の行き先は、情報の種類によって三方向に分かれます。

 もの覚えに関する記憶認識系の情報は海馬に送られます。海馬からは側頭、頭頂、後頭の各連合野に出力されます。扁桃体と海馬の障害による代表的な症状は、もの忘れと集中力を欠くことで、進行すると認知症、アルツハイマー病に発展します。

 やる気に関する意思行動の情報は側座核の細胞群に送られます。側座核からは、前頭前野と各運動連合野に出力されます。扁桃体と側座核の障害は、やる気を失い、楽しくない気分を招き、ひきこもり、不登校などにつながります。側座核は大きな特徴ある細胞が広い範囲に分布しており、海馬や扁桃体のような明らかな形をもった器官ではないのですが、細胞数が減ると問題が起きます。

 愛情や憎しみに関する情動身体系は視床下部方向へ向かいます。扁桃体が壊され、障害の影響が扁桃体支配下の視床下部に及ぶと、自殺や殺人などの凶悪犯罪を含む情動障害、激怒や飢え、性欲の異常、自律神経の失調などの症状が起きてきます。若い人の暴発事件はこの経路でおきます。

 混合型精神病や認知症などの「心の病気」は、いずれもこの三つの系統の情報出力が障害されます。どの出力がどう傷害されるかのバランスで症状が変わってきます。

 結局、うつ病、統合失調症、認知症などの精神疾患の基本は、すべて扁桃体の障害です。見事に『こころ』の機能を整理した松沢先生の仕事は、何個ものノーベル賞に値するものだと、私(田辺功)は思っています。」

 以上長々と引用したが、その方が正確に伝わると思ったからである。統合失調症やうつ病や認知症の画像撮影の技術を駆使して、何千人もの脳を写して、これらの病気が脳の傷であることを見つけ、そこから心のありかを探ったものである。

 心の存在や働きについては、まだほとんどが解明されていないと思うのだが、大変示唆的な研究であると思う。

« 市民の第九コンサート2009 | トップページ | 食事に関心が薄い若者が増えているとか »

心と体」カテゴリの記事

コメント

 お互いに年齢を重ねますと、どうしても体のいろいろな部分に不調を来たしますね。気をつけるより仕方のないことです。気をつけてもなんともならない場合がありますが。

TheBeachさんへ
 心臓が悪いそうでいけませんね。お大事になさって下さい。
 心臓が痛むとその信号が脳に伝わり、それが私たちの気持ちに関係した部分を刺激して、精神に影響するのだと思います。やはり脳の中の働きでしょうね。

先日私の実家の兄の方に姑が右大腿骨骨折で病院に入院しました、と報告しました時に私の方が今大変な身体の状態だからそんな人のこと聞いている余裕がない!糖尿病で長い間注意深く暮らしている人なので私の母を兄と見ていてくれました。母亡き後こんどは義姉は自分との闘いをしているのだなぁ・・・と。お大事にしてくださいねと電話を切るより慰める言葉も見つかりませんでした。ららさんの本にある脳幹動脈に4箇所詰まりがあるので10日間の入院生活をして出たところでした。だんだん頼りにしている人が病気になり淋しくなります。

興味深い文章でした。

わたしは今、心臓の調子が悪く、心臓が痛むと精神に影響をきたす始末です。
心臓にも「心」がごく一部ありそうな感じがします。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 心はどこにあるのか―松沢大樹説―:

« 市民の第九コンサート2009 | トップページ | 食事に関心が薄い若者が増えているとか »