幸せを感じた夕餉―有口福―
Mさんが、陸奥湾で獲れた特大の帆立貝を送って下さった。冷蔵宅急便で届いたポリ箱を開けると、氷がまだ残っていて、下に大きな帆立貝が3段に入っていた。口を閉じてまだ生きていた。
この歳になるまで、貝殻つきの帆立貝は見たことがなかった。スーパーなどに行くと、近海で獲れるサザエや鮑や大アサリやムール貝やハマグリなどを見ることはあるが、帆立貝はむいて冷凍したのしか見かけない。
夕方になって、箱の蓋を開けると、貝は殆ど口を開いていた。死んだのかと思った。洗うために水道の水をかけたら、貝は口を閉じた。まだ生きていたのだ。
親切にも料理法と殻のむき方が書いてあるチラシと殻から身をはずすヘラが入っていた。それをよく読んで妻と2人で殻からはずした。
私は説明の通りに下の殻をヘラでおさえてこじったがちょっとやそっとの力では殻が開かなかった。妻ははずしかたをすぐにのみこんだらしく、上手にはずした。何と言うことはない、ヘラを突っ込んで身をはずせば簡単にはずれるのだった。
直径5cm厚さ4cmぐらいありそうな大きな身が出てきた。貝の紐も短く切って食べやすくした。夕食のメインは帆立の刺身2個分でたっぷりあった。身は大変柔らかくて、甘みがあった。紐はコリコリとして歯ごたえがあった。
帆立を肴にビールを飲んだ。本当は酒の方がいいのだが、まだ暑かったのでビールにしたのだ。
こんなに贅沢なおかずはないと思った。たまに帆立を買っても冷凍の袋入りの小さな帆立だ。ところが今日は、殻をむいて大きな身を思う存分たべたのだから。
東京にいる娘にその話をしたら、娘たちは袋入りの小さな帆立を買ってきて食べたと言って羨ましがっていた。近ければおすそ分けが出来るのだが残念であった。
次の日は、帆立の浜焼きにして食べた。秋の夜の酒がおいしかった。中国語では、「口福が有る」と言う。
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初めての経験で幸せでした。
私は、青森、岩手、秋田など東北にはには行ったことがありません。現地の浜で豪快に食べてみたいものです。でも、宅急便が発達して便利にはなりましたね。2日後でも生きていました。
投稿: らら | 2009年9月14日 (月) 22時24分
拝見いたしました。(青森県出身)
いろいろな調理法でお召し上がりになられたとのこと、産地直送ならではの鮮度で、お楽しみいただけて良かったですね。
青森県陸奥湾の海岸では、以前は帆立販売店のいけすから上げたての帆立を、貝殻から離して海水で洗っって豪快に生食した記憶があります。塩加減が丁度良く舌ずつみしたものです。
観光客のための、砂浜での鉄板焼きは、さざ波を耳にしながら磯の香りの中で、雰囲気満点、味よし香りよし、御旅行の折にはぜひお試しくださいませ。
投稿: 杏香 | 2009年9月14日 (月) 18時06分