レオナール・フジタ(藤田嗣治)展を見た
名古屋の松坂屋で13日まで開かれている、「レオナール・フジタ展」を見に行ってきた。前にmaronさんのblogで知って、見に行こうと思っていてうっかり忘れていた。10日は涼しい日だったのでこれ幸いと出かけた。
藤田嗣治を有名にした「素晴らしき乳白色の地」の絵が何点かあったが、いずれも独特の色で表現したもので、本当に素晴らしいと思った。乳白色の裸婦が息づいていた。
藤田嗣治は、いろいろなものに凝ったようで、アトリエのミニチュアなど本物を縮小した精巧なものである。また、自分で使うための陶器も制作しており、ユーモラスな絵が描かれた物が多くあった。
展示の後半は、藤田が建てた「平和の聖母礼拝堂」の建設に至るまでの詳細であった。建設の準備の様子がよくわかったが、そこでも彼が壁画だけでなくステングラスや屋根の風見鶏、門扉まで全てに亘ってきちんと準備をした様子が伺えた。
藤田はそこに眠っていると映像が伝えていたが、幸せであろう。
彼は生涯に5回も結婚をしており、4回は西洋女性で、しかも、ユキを呼んだ女性は色が白くて美女であったようだ。男からみれば羨ましいと思う。最後に結婚したのは日本人で私が生まれる前に結婚し最後まで続いた。その君代夫人は今年の4月に亡くなられたそうだが知らなかった。
この展覧会の目玉は、「構図」「争闘」という作品である。1992年にフランスのオルリー空港近くの倉庫から発見された大作で、相当傷んでいたのをフランスの美術修復のエキスパートたちが見事に修復したものだ。
筋骨逞しい男性や女性が格闘する絵などが縦横3mの大きなカンバスに乳白色で描かれている。そのデッサンも何点かあり、東大寺の仁王像の筋肉を髣髴とさせた。
今回この幻の作品が再び日本で公開されたのはよかった。
藤田嗣治は、絵をかく技量がすぐれているし、宗教画から静物、人物まで素晴らしい才能を発揮している。
私が、気に入ったのは、3人の裸の女神を描いた「優美神」で、丹沢をイメージした遠景、足元には百合などの花が咲き、肢体の美しい美女が描かれている。この作品を見ると、人物、静物、風景の全てを見事に描ききっていることが分かる。
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