サルコジ大統領の「報酬制限」提案は当然のことだ
新聞によると、G20財務相、中央銀行トップなどの会合で、フランスのサルコジ大統領がだした「金融危機を再び招かないために、トップトレーダーの成功報酬に制限をくわえるべき」という提案に、イギリスのブラウン首相やドイツのメリケル首相などヨーロッパ各国は賛成したという。
リーマンブラザーズの破綻から間もなく一年。世界金融経済危機を招いたのはウオール街などのトップたちの飽くことのない利益追求とそのあくどいやり方であったことは世界の前に明らかになった。
トップトレーダーたちは、利益を出した場合はそれに応じて何十億円という莫大な成功報酬を貰い、逆に失敗して損失をだしても何のお咎めもないという奇妙なシステムの中でやりたい放題をして金融を混乱させたのであった。
ところが、危機が少し遠のいたとみるや、またゾロ莫大な成功報酬を与える証券会社や銀行が出現した。サルコジ大統領はまさにその点を指摘したのであった。
利益を出せば、歩合によって50%とも言われる成功報酬を手にし、損失を出しても罰金を出すとかいうことはないという真に旨みのある仕事で莫大な報酬を得ているのだ。その為に彼らは利益追求に血眼になった。
それが彼らが成功報酬を貰い世界の人々が恩恵を蒙るのであれば何の問題もない。
実際は、世界中が恐慌に陥り、いまだに回復できず被害はむしろ拡大しているのだ。そうなのに儲けた連中は儲けを懐にのうのうとしていられるとは。
震源地のアメリカでは、失業率が9.3%にもなり年内には10%を超えるかもしれないと言われている。親が失業したためにホームレスになった児童や生徒が100万人を突破した。
優良債権と言われたプライムローンでさえ、利息を払えない人が10%を超えたと言われる。
日本でもまだまだ経済の状況は深刻で、失業率は増加し、生活保護世帯も増えている。中小企業では仕事がなく、休業に近いところも多い。
鳩山次期首相は、アメリカの新聞に「アメリカの金融原理主義、グローバリズムが世界に恐慌をもたらした」と書き、今問題にされているが、鳩山氏の言い分は正しい。間違っているのは反省をしないアメリカなのだ。
そのアメリカは、サルコジ大統領らの「制限提案」に反対をした。しぶとく懲りないアメリカである。民主党政権はこういうアメリカに追従しないではっきりとNOを言って貰いたいものだ。
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