私の趣味①―マジック―
私が、初めてマジックを見たのは、戦争中のことで、小学校低学年の頃であったと思う。今でも鮮明に覚えているのは、その手品の光景である。
当時私が住んでいた家の近所のおじさんが、ある日、吸っていたタバコを使って手品を見せてくれた。耳の穴にタバコを入れて反対側から出す手品とか口から出す手品であった。今から思えば他愛のない手品であるが、手品など見たことがない私には強烈であった。そのおじさんがまるで手品師のように思えたのである。
2度目は、高等学校を卒業して、首尾よく進学した友人を祝って岡本くんという友人宅に集まったときのことであった。彼の父が酒の徳利を釣る手品を見せてくれたのだ。この手品も酒席の手品としてはよく知られたものだが、初めて見る私たちには新鮮であった。
その後は、大学に入ってからで、近所に清水さんというアマチュア・マジシャンがいて、バス停などで気軽に手品を見せていた。この人は、父の知り合いでもあったので、父を通じて「もし手品を習いたかったら何時でもいらしゃい。」と言われていたが、遠慮が働いて習いには行かなかった。
私が、その清水さんに手品を教えてもらうようになったのは、それから20年以上も経ってからのことである。今思えばよい機会を失ったと思う。
その他に強烈に印象に残っているのは、学生の頃、大須演芸場で見たリングの手品である。昔のことだから今のようなスピードとテクニックのあるリングではなく、リングの基本に忠実なマジックであったが、凄いなあと感じた。
それから20年余り時が流れて、ある日、近所の文房具屋で清水さんとであった。彼はすぐに手品を取り出して見せてくれ、そして、「習いたかったらいつでもいらっしゃい。」と言った。
私は、手品を覚えれば、学級経営にも役立つかもしれないと思い、思い切って清水さん宅を訪問したのだ。
この方は、名門の名古屋アマチュア・マジシャンズ・クラブの会員であった。そして手品の道具を自分で作るのでも有名であった。
家が近所なのでちょくちょく行っては教えてもらっていたが、ある時、坂野さんという人と2人で正式に入門した。
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