リンゴ農家木村秋則さんが知ったこと―②―
木村秋則さんは次のように言っている。
「人間にできることなんて、そんな大したことじゃないんだよ。みんなは木村はよく頑張ったって言うけどさ、私じゃない、リンゴの木が頑張ったんだよ。それは謙遜なんかではないよ。本気でそう思っているの。
だってさ、人間はどんなに頑張っても自分ではリンゴの花を一つも咲かせることができないんだよ。手の先にだって、足の先にだって、リンゴの花は咲かせられないのよ。
そんなこと当たり前だって思うかもしれない。そう思う人は、そのことの本当の意味がわかってないのな。畑を埋め尽くした満開の花を見て、私はつくづくそのことを思い知ったの。
この花を咲かせたのは私ではない。リンゴの木なんだとな。主人公は人間じゃなくリンゴの木なんだってことが、骨身にしみてわかった。
それがわからなかったんだよ。自分がリンゴをつくっていると思い込んでいたの。自分がリンゴの木を管理しているのだとな。
私にできることは、リンゴの木の手伝いでしかないんだよ。失敗に失敗を積み重ねて、ようやくそのことがわかった。それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかったな。」 (奇跡のりんご P.167)
木村さんは、9年目にやっとリンゴ畑の木が一面に白い花を咲かせたのを見てそう悟ったのだった。
それにしても何と謙虚な含蓄のあるコトバであろうか。
木村さんのコトバは大変に示唆に富み子どもを育てる親や教師にも味わってもらいたいと思う。
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