「奇跡のリンゴ」木村秋則さんが知ったこと―①―
木村秋則さんは、農薬を使わなくなって分かったことがあるという。その部分を「奇跡のリンゴ」(石川拓治著 幻冬舎 P.156、157)から引用する。
「農薬を使わなくなってわかったことがあるのな。農薬を使っていると、リンゴの木が病気や虫と戦う力を衰えさせてしまうのさ。楽するから行けないんだと思う。
車にばっかり乗っていると、足腰が弱くなるでしょう。同じことが起きるわけ。
それでな、リンゴの木だけじゃなくて、農薬を使っている人間まで病気や虫に弱くなるんだよ。病気や虫のことがよく分からなくなてしまうの。農薬さえ撒けばいいから、病気や虫をちゃんと見る必要がなくなるわけだ。人のことを言っているのじゃなく、この私がそうだった。
害虫の卵は保護色だと言ったでしょう。小さいし、枝でも葉でも、産みつける場所と同じ色をしているから、なかなか見つからないのよ。
おまけに、卵からどの虫が孵るか分からないから、害虫のそばのテントウムシの卵をとってしまったりな。テントウムシの卵は、オレンジ色をしているからむしろ見分けがつきやすいんだ。
害虫を目の敵にして無我夢中で虫取りをしているうちは、そんなことすら気がつかなかったわけだ。落ち着いて虫たちのことを眺めるようになって、ようやくいろんなことがわかるようになったのな。」
木村さんは、リンゴの木につく虫のことを観察をし、調べて、どんな虫がどんな時期に卵を産んだり、成虫になったりするか、またリンゴの木のどの部分に卵を産むかなどを、まるで昆虫学者のように知るのだ。その結果、どの害虫をどの時期に駆除すればよいかがわかり効率よく仕事ができるようになるのである。
そして、自然の不思議さ、摂理に感動し、謙虚に自然と向き合うようになる。
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木村さんと似たやり方ですね。自然の理に適っているからよいのだと思います。人間でも同じですよね。栄養の取り過ぎや過保護が健康や精神を駄目にしていますね。
投稿: らら | 2009年7月 8日 (水) 10時57分
私は自然主義者なので農薬も人工肥料も使いません。60歳でリタイアして2年間農業専門短大で学び最近卒業した近所の知人が「先生所は草ボウボウの中で立派な実が生って見事見事、神は不公平だ、僕は勉強して手を掛けて負けるんだから」と言っていますが、カイガラムシや蓑虫などは拡がらないうちにとります。台所屑はコンポートで発酵させたり、コガネムシも気をつけます。経験は知識です。犬が居るので除草薬や消毒薬は使えません。
投稿: maron | 2009年7月 7日 (火) 15時42分