憧れのイタリア旅行―⑨―
( 17)ヴェネツィアガラス店 ※画像をクリックで拡大
アントニオは、しきりにサン・マルコ寺院の内部観覧の時間を気にしていた。結局2時からの観覧時間にすることにして、ヴェネツィアガラスの店、ラグーナ ミラノガラスへ行った。運河の橋を渡り、入り口を入ると、ガラスの実演を見せる炉があり、そこで実演を見た。ガラスを管の先につけて炉で熱し、息を吹き込んで形を作るのだが、さすがに素晴らしい職人技である。
店の展示場でヴェネツィアガラスの説明を聞いた。色は、青、赤、緑の三色が使われ、中でも赤が一番高いのだそうだ。金は、24金が使われるが、まがい物は質の悪い金を使うので剥がれてしまうという。3回、炉で熱するので叩いても割れないぐらい強くなると言ってグラスで机を叩いて見せた。思わず「えっ?」と驚きの声が出てしまった。ガラス製品はどれも美しく、一つぐらい欲しいと思ったが、高くてとても手が出ない。
トイレに行かなければならないので地下におりた。分かりにくいトイレを探し当てたが、トイレは、大便所が2箇所にあるだけだった。その後の手洗い所の水は足踏み式であったので水の出し方が分からず困っている人もいた。
結局トイレに時間をとられて、ヴェネツィアグラスは殆ど鑑賞できなかった。店の外に出て橋の上で他の人が出てくるのを待った。ため息橋が近くに見えていた。
( 18)アントニオのお勧め
再び、サン・マルコ広場の方に戻った。広場には、ところどころに高さ50cmぐらいの台が置いてある。アントニオの説明によると、水位が高くなる季節には歩けないのでこれらの台をつないで歩く道をつくるのだそうだ。「昨年アメリカ人が歩いていて水に落っこちたよ。ざまあ見ろだ。」と言った。アントニオは悉くアメリカの悪口を言う。何でも戦争のときにイタリアがアメリカに空襲をされてめちゃくちゃにされたからだという。私は、日本もアメリカに無差別に爆撃されて田舎の都市まで破壊されたことを思い出していた。彼は、「イタリアと日本が一緒になってアメリカをやっつけよう。」と冗談とも本気ともつかないことを言った。
アントニオは、時計塔のあるところから入る通りがヴェネツィアの高級ブランド街だと言った。GUCCIの店の前にある小さな店の立ち飲みコーヒーがどれも1Eだがおいしいと勧めた。フローリアンのコーヒーがいい人はそちらをどうぞと言った。また、目の前の時計塔の右のBAR AMERIKANは、コーヒーなどはまずいがアイスクリームだけはお勧めだと言った。
アントニオは、添乗員に昼食を食べたら、2時になるからサン・マルコ寺院の中を見るように強く勧めた。今村さんは、時間を気にしてか渋い顔をした。アントニオとはそこで別れた。
その後、自由時間となった。私たちは、お勧めのコーヒー店を探して歩いた。松原さん、鈴木さん、安藤さん?ご夫婦も一緒だった。店がわからなかったので突き当たりの店で聞いたら、まっすぐ戻ったすぐそこだと言った。店はGUCCIの前ではなくもっと手前にあった。GOPPIONという店で気づかずに通り過ぎたのだ。
入って行くと、カウンターがありウエイトレスが3人いた。頼むと先にお金を払ってレシートを見せるのだそうだ。そういえば今村さんがバスで説明していたっけと思った。1Eを払って、妻はエスプレッソ、私はカプチーノを飲んだが、とてもおいしかった。
それからアイスクリームを食べようということになり戻った。アントニオお勧めの店でアイスクリームを買った。どれも2Eで、私は、チョコレートのをもらった。この店のアイスクリームはよく売れていて次々に客が来ていた。
時間があるので、広場沿いの店を見て歩いた。
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