安い物を買う心理と論理
今朝のテレビ東京モーニングサテライトによると、ニューヨークでは、個人が不要になった食料品をに出品して売るフリーマーケットが人気になっているという。
ほとんどは賞味期限切れの品物なのだが、安いので買いに行くのだそうだ。佐々木キャスターもジュースやマシュマロなど普通なら7000円分のものを半額程度で買えたと言って机上に一杯並べて見せていた。
ニューヨーカーたちは期限切れなどについて気にしないそうである。金融・経済危機で人々の考え方も変わってきたのであろう。
そういえば、ニューヨークではホームレスではないのに、スーパーやレストランが期限切れで捨てた食品を拾って来て食べる人たちが増えているということを以前に書いた。こちらは”食べられるものを捨てるのはもったいない”という考えの人たちの行動である。
日本でも、中古品がよく売れるようになったり、修理に出して長く使うようにしたり、作り直しをして使うなどの傾向が出ていることは以前にも書いた。
かつて高度成長期には、使い捨てが当たり前であったのに、バブルがはじけ、更に大恐慌に見舞われて、若い人々も含めて人々の意識が大きく変わったことを覗わせる。
昨年9月のリーマンショック以前は、インフレが心配されていたが、ここにきてデフレが再び言われだした。
安い商品を企画して何とか売り上げを伸ばそうといろいろと工夫をしているところが増えた。
私は、昔から家族からは”安物買い”と言われてきた。「安物買い」には「安いけれど悪い」というニュアンスがある。高度成長期にはそのイメージが付きまとった。しかしバブルがはじけて人々の考え方が変わったように思う。
私は、物を買うための努力は惜しまない。友人の中には、その時間がもったいないという人もいる。それは金があるか金を儲ける手段を持っている人の論理である。安い物を探す時間に儲けるというのも正論である。
しかし、貧乏人には安い物を探すことも正論である。
例えば、スーパーで100円の大根を別の八百屋で70円で買えるとしたら、例え多少遠くてもそちらに行って買う方が30%の節約になる。
現在の金利は0.05%~0.17%ぐらいだから,それと比較してみるとどんなに高金利に相当するかがわかる。
佐々木キャスターは50%安く買ったのだから、それだけで大変な金利を得たことになる。しかも、50%の残金は銀行に残っているとすれば、それにも僅かながら利子がつくわけだから、安い物を探すことはあながち時間の無駄とは言えないことになる。少なくとも貧乏人には唯一の高金利を得る手段となるのだ。
安い店を探せば、魚でも野菜でも果物でも20%~30%ぐらいは安く買えることが多いし、衣料品でも大売出しとかディスカウントショップなどを利用すれば30%引き、50%引きさえある。
安くて悪いものは買わないほうが利口だから、大事なことは品質を見分ける眼を養うことである。
安くてよい物が値打ちな物である。低金利時代に生きる智恵として心がけたいと思っている。
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