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2009年3月 7日 (土)

江戸しぐさから「こぶしうかし」

 「江戸しぐさ」という本に、「こぶしうかし」というのがあった。素敵な言葉だ。

 「江戸時代は、船が出るのを待っている間、あとから人が乗ってくるたびに、こぶしをついて腰を浮かせ、席をつめていたことからこう呼びます。

 昔の東京には、江戸しぐさを身につけた粋なお年寄りがいて顔色の冴えない人を見つけると、自分よりも若い相手に席を譲ることもありました。『詰めていただけませんか。』と言われる前にするのが江戸しぐさ、催促されてから行動するのは恥とされていたのです。」

と書いてある。

 現代では、電車や地下鉄を利用するが、「こぶしうかし」を見かけることは皆無となったようだ。7人掛けの席に6人が座り「こぶしうかし」をすればもう一人座れるのに知らん顔である。

 隣の人との間が空いていても身体を横にずらして席を作ってあげることもしない。最近の高齢者も若い人たちと同じで知らん顔であるのが情けない。

 私は、地下鉄に乗るたびにこのことが気になって仕方がない。自分が席に座るときはできるだけ詰めて座るように心がけている。「こぶしうかし」をする必要がないようにだ。

 昔、汽車が走っていた頃はよかった。二人掛けの席であったが、立っている人がいるとちょっと譲って3人で座ったり、肘掛にどうそと言って腰をのせさせたりしたものだ。「こぶしうかし」は当たり前のこととして行われていた。

 こういうよい習慣がなくなったのは何時頃からであろうか?残念でたまらない。

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コメント

 確かに稀には若い人で席を譲る人がいます。そんな人を見ると嬉しくなって、先だっては持っていた簡単な手品を上げました。
 まあ、譲られる歳に見られたかという思いもあり複雑ですが。

 タイでは、席を譲るあるいは詰めて座る習慣がまだ残っているのですね。素晴らしいと思いいます。譲る順番まであるのは思ってもみませんでした。新鮮に感じました。今日も地下鉄に乗りましたが、悠然と座る若い人、中年の人、高齢者とみな駄目ですね。がっかりです。
 名鉄などは大きなスーツケースを座席に載せている人もよく見かけますが車掌は注意をしません。

ららさんのおっしゃる通りです。 足を広げて二人分くらい場所を取っている人に少し詰めててあげてくれませんかと言うと厭な顔をされる事があります。 高齢者優先席でも若い人が座っていて、前にご老人と一目で分かる人が立たれても知らない顔で結局私が立ってしまいます。
どうなっているのでしょう。 勿論私は元気なのですからそのような場合、当然と思っていますが、親切な人もあり、上記のような事が日常茶飯と言う訳ではありませんが、社会に生きている限り社会契約説では有りませんが、社会に生きる自己規制は持つべきだと思います。

 「こぶしうかし」という、いい言葉を教えてくださりありがとう。私はいつも周囲を見回しながら読んでいます。
 タイにはソンテオという乗り合いバスがあります。トラックの荷台に幌をかぶせ、ベンチが並べてあります。女子供年寄りが優先的に座ります。前に立っている人の荷物を持ったり、小さい子供をひざに乗せるのごく当たり前の光景です。
 混んでくるとまず立つのが兵隊、次に青年、男がみんな立ってしまうと女子高校生が立ちます。
 混み合う時間には男は最初からすわりません。みんな後ろのステップにぶらさがっています。そして順番に屋根に上っていきます。
 路線バスでは車掌が采配して、つめて座らせます。もちろん自分たちも譲りあいますが、車掌や車内に入ってくる売り子が適当につめさせて座らせています。
 名鉄電車で車掌が見てみぬ振りをして通りすぎますが、せめて車掌なりに車内整理の権限をもたせればいいのに、と思います。

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