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2009年3月23日 (月)

物を丁寧に作る精神

 今朝の中京テレビ、ウエークアップで、中谷巌氏が、バンパーの裏側まで磨く話を紹介していた。日本の自動車会社では、見えないバンパーの裏側までを磨くことに中国人留学生が驚いたというのだ。

 中谷氏は、それが日本人のよさで、結果的に故障のないメカに仕上がることにつながっていると言っていた。

 それで思い出したことがある。以前ベトナムに旅行したときのことである。ベトナムではバイクが洪水のように道路を走っている。その中で人気があるのは日本製だというのだ。

 ガイドに質問してわかったのだが、中国ではホンダのバイクにそっくりのバイクが作られていて、ベトナムにも輸入され販売されているという。外見も名前もそっくりで、価格は安いのだが、2年か3年で故障をしてしまうので、結局は中国製はよくないというのだ。

 ドイツ車でさえ故障が多く、イタリア車に到っては格好はよいが故障が頻発するそうだ。

 日本のバイクも車も故障が少ない。目の届かないところでもきちんと作ろうとする日本的発想の賜物であると思う。

 その日本的発想だが、それは長い日本の歴史の中で日本人に培われてきたものだと思うのだ。

 神代の昔から、自然を畏敬し、自然を大切にし、自然と共に生活してきた日本人は、物を大切にし、環境を簡素で清潔にする生活をしてきた。茶道、華道、書道、武芸、歌舞音曲、料理・・・・さまざまな分野で物を丁寧に扱い、大切にすることを心がけてきた。

 仏教では、便所の掃除を大切にする。学校教育でもトイレの掃除を生徒が行うし、教室や学校内の掃除も生徒が行う。

 昔、軍隊でも兵器の状態を最上に保つことや兵舎、艦内の清掃も強調されていた。

 こうした日本文化の伝統の延長線上に、バンパーの裏側まで磨くということがあるのだと思うのだ。

 こういう日本的精神はいつまでも大切にしたいものである。

 

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