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2009年3月20日 (金)

NHK番組プロフェショナルからー―中澤佑一に感動

  毎週火曜日の夜10時から、NHKプロフェショナルという大変興味深い番組が放送されている。脳科学者の茂木健一郎氏がキャスターを務めている。日本のさまざまな分野の優れた活動をしている人が取り上げられていていつも楽しみに観ている。

 最近放送された中から、幾つか取り上げたい。

 今週は、サッカー日本代表チーム主将の中澤佑二であった。彼は、「雑草から這い上がった選手」として紹介されていた。

 サッカーを始めたのが、小学校6年生のときだという。野球をやっていたのかどうかはわからないが、珍しくスタートが遅かったのだ。その上、サッカーが下手でいつも叱られていたそうだ。

 高等学校は公立でサッカーがそれほど強くも無いところを選んだ。レギュラーになれると考えたようだ。しかし、そこでも彼は下手な部類の選手であった。

 ただ、彼は自分が下手なことを克服するために人一倍の練習をしたのだという。高校時代の監督の話では、運動場での正規の練習が終わると、電灯がある体育館に行き、夜遅くまで練習を続けたそうだ。監督が音をあげて「俺にも家庭があるからせめて10時には帰らせてくれ。」と言ったというエピソードを披露していた。

 中澤は高等学校を卒業すると、自費でブラジルにサッカーの勉強に行ったが、そこでも1年で「下手だからもう練習しなくてもいい。」と追い出されたそうだ。

 彼自身が語ったところによると、高校の頃も含めて、ただ練習に明け暮れした。友だち連中が、遊びに行ったり、恋をしたり、カラオケをしたり・・・といったことをしているのにひたすら練習に打ち込んだそうだ。

 しまいには誰も彼を誘わなくなったという。

 そういう努力を重ねて”下手な選手”が20歳のときにJリーガーへのチャンスを掴んだのだ。

 以来、31歳の現在まで常に練習一筋でやってきた。練習場には誰よりも早くはいるそうだ。

 酒は一滴も飲まず、夜10時に床に就き、朝6時に起床するというストイックな生活を続けている。彼の風貌からは想像もつかないことだ。

 この番組を観て、彼のような人こそ、常人の鑑だと思った。それこそ文部科学省は道徳の教科書で取り上げるべきである。

 「雑草」つまり極普通の人が人知れず努力をして一つの位置をかちとったのだ。世の中には、人並み優れた才能を持っていてその上に人一倍の努力をして高い位置に至る人はいる。それは、常人には望み得ないことである。

 彼の場合、謂わば、喩えはよくないが、駄馬が中央競馬で優勝したのと同じである。(そういえば競馬の世界にもそういうことがあったなあ。)

 彼のこれまでの生き方は、普通の人に「やればできる」という勇気を与えると思うのだ。この世界的大恐慌の中で、職を失った数多の人々、とりわけ将来ある若い人たちにも希望を与えるものだと思う。

 

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コメント

ご指摘有難うございます。佑二に訂正いたしマイs多。

×中澤佑一→○中澤佑二

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