精神科治療は未開分野とは
22日のNHKスペシャル「うつ病治療、常識が変わる」を見た。朝日新聞の試写室に次のように紹介されていた。
①「恐ろしい話だ。間違った治療で症状が悪化したり、長期化したりするのはうつ病に限らないが、『精神科』は大学で専門に学んでいなくても看板を掲げられるという。」
②「うつ病患者は100万人を超え、誰もが罹りうる『心の風邪』とも言われる。なのに医師の技量や診断に大きなばらつきがあることが次々と明らかにされる。」
まず、①についてだが、昨日の報道によると、昨年度も1年間に32900人もの自殺者があったという。3万人以上という数は11年連続だという。その中には、うつ病など心の病が原因で自殺した人も多く含まれているだろう。
同じ日に、落語家桂枝雀のことが出ていたが、彼も2度に亘るうつ病で最後には自殺してしまった。惜しいことであった。
うつ病に罹る人、その他の心の病に罹る人は増え続けている。精神科の役割はますます重要である。それかあらぬか心療内科とか神経科とか紛らわしい名をつけたクリニックも増加している。
番組によると、精神科は特に勉強していなくても、医師の免許があれば誰でも開くことができるので、増えているのだそうだ。しかも、クリニックを開くのに金がかからないのだそうだ。
私は精神科も専門医師がなるものとばかり思っていたが、そうではないと知ってぞっとした。
②について、上記のように誰でもなれる上に、一口にうつ病と言っても診断が大変難しいことが紹介されていた。
専門の精神科医師でも難しいものを専門でもない人が診断すれば誤診断や誤診ではないにしても、投薬ミスが起きるのは当然のことである。
精神科の医者にかかっても患者がよくならないと、医者はどんどんと抗うつ剤の種類や量を増やしていく。そのために更に酷くなることが多いのだ。
また、患者はよくならないと他の医者に替わるが、同じ症状を訴えても薬の種類や量が全く異なることも取り上げられていた。
精神科の場合、患者と時間をとって患者の訴えをよく聞く態度も医師には求められるが、残念なことに、多くの場合、3分診療がまかり通っているのだと言う。
薬の説明もしないで、医者の言うことに文句があるかと言わんばかりの態度の医師も多いという。
結局、日本では、精神科というのは、遅れた医療分野なのだということがよくわかった。それに輪をかけているのが、精神科の患者は医者に文句を言わない(正しくは言う気力もないと言うべきだと思うが・・)ので医師にとってはやり易いのだそうだ。そうしたことも遅れた分野になっている要因のひとつだと思う。
それに対して、厚生労働省も適切な対応ができていないのも問題である。これだけ精神の病を患う人が増えているのに、大事な治療面で診断基準もなく、研究機関もなく野放し同様に放置されているらしいのだ。
誰でもいつでも罹りうる病だけに適切なシステムの構築が一日も早いことを切望するものである。
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この前見た映画「ふるさとをください」で描かれていたように、精神病(心の病と言った方がいいと私は思っています)の人のことを「気違い」と思っている人がまだまだ多いと思います。
これだけ鬱病を患う人が増えているのですし、自閉症、統合失調症などの人もたくさんいます。
統合失調症も鬱と同じく誰でもかかる病です。医者や弁護士や研究者など高学歴の人にもいます。
マスコミも含めてもっともっと理解を深めることが大事だと思います。
投稿: らら | 2009年2月26日 (木) 09時06分
現在、心の悩みで苦しんでいる人が本当に多いと思います。
私は話しやすいのか、いろんな人から相談されますが最近鬱になる人が多いですね。20年近く鬱病の奥様を介護しておられる方は「家内の病状が良くなると私に病気が出てきます。気がゆるむからでしょうか」と、家族の負担もたいへんです。
認知症のかたの老々介護が高齢化社会の問題になっていますが厚生省も考えてほしいとおもいます。
抗うつ剤も精神安定剤も永く使い、量を上げると恍惚の人を作ることになるのでないでしょうか。
薬より悩みを聞いてあげストレスを取り除き前向きに明るく生きられるようにできればとおもいますが
高機能自閉症の子供を持つ方が知能は普通、飛び抜けて高い分野も有るが、世間からは受け入れられない。高機能自閉症を理解して欲しいといっておられたが、私達も精神の事を勉強し理解しなければと思います。
投稿: maron | 2009年2月26日 (木) 01時36分