派遣社員は企業のセフティネットという指摘
15日の朝日新聞夕刊に、国際社会科学評議会副会長の三重大学児玉教授が、「貧困 試される学問の真価」という論稿を寄せている。
その中で注目したのは、次の1節である。
「自由競争主義のグローバリゼーションの発想が導入されたとき、『セーフティネット』でカバーするから大丈夫といいう主張が繰り返された。しかし、この『セーフティネット』は名ばかりで、機能しないものだとわかった。
派遣労働者や非正規雇用の増大は、不況時に彼らを犠牲にして、企業が自らを守る『セーフティネット』であった。生身の人間である労働者の生活と人権は守られていない。世界で有数の富を誇る日本で、雨露をしのぐ住居と空腹を満たす食事さえ保障されているとはいえない。」
まさにその通りだと思う。労働者に対するセーフティネットは何もなく、泥縄式にことが起こって慌ててそれが論議されだした。しかし、現実の困却を救う具体的な手立ては何もない。定額給付金で景気を刺激すれば何とかなるという能天気さなのだ。
それに対して、大企業は、情け容赦なく次々に首切りを発表している。これまでためた巨大な内部留保の金のことなどおくびにも出さないで、赤字だといって逃げている。
小企業の中には工夫をして助け合いの精神で雇用を守ろうとしているところがあると報道されているのがぜめてもの救いである。
派遣や非正規労働者は企業のセーフティネットという事実をしっかりと見つめ、それをやめさせることが大事である。
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